4:僕のおねぇちゃん♪


「あのー…シュウ君、全然前見えないんだけど。」



「見ちゃいけません。」



「ちょっとぉ!せーっかくシュウのビッチちゃんが僕に浮気しようって来てくれたのにいきなり目隠しプレイとか酷くない!?」



今や私の視界はシュウ君の手によって遮られてしまっている。
そして初めて聞く男の子の声にドン引きである。
いや、私はビッチでもないし浮気もしないし、更にはコレは目隠しプレイではない。


「シュウ君!手どけてよ、何かすっごい誤解されてる!!」



「はぁ…ライトを見て変態菌が移ったら迷わず俺に言えよ?消毒してやるから。」



そんな弟君に対して失礼すぎる台詞を吐きながらゆっくりと手をどけてくれたから
先程まで真っ暗だった視界に光が入る。
ぼんやり見えてきたのはニッコリ笑顔の可愛い男の子。



「えっと…逆巻、ライト…くん?」



「うんそう!僕ライト君っ!宜しく〜ビッチちゃんっ!んふっ♪」



にっこりとその切れ長の瞳を細めてぶんぶんと私の手を握って上下に振ってくる。
う、うん、何かノリが女子高生かな!?
けれどライト君は動揺している私に更にその笑顔のまま追い打ちをかけてくる。



「それで?やっぱり花子ちゃんはいつもシュウの上に乗ってシてるの?頑張って動いてる〜?んふっ」



「は!?や、私の名前しって…ってそうじゃなかった!?な、何をいきなり!!!」



シュウは基本動かないからねぇぷぷぷ〜って意地悪に笑いながら言い出すから
ぼふんと頭が沸騰したのが分かる。
あ、あの…すいませんその…シュウ君と付き合って結構経ちますがあの、ぶっちゃけそういうの…まだなんですよ。



というかシュウ君動かないのか…
え、ちょっとまって。と言う事はもしシュウ君とそういう事になってしまった場合私が頑張るの?
え、ちょっとまって…どうなのシュウ君!?



思わず本人であるシュウ君を勢いよく見れば私の視線に気付いてくれた彼が
当然かの如く真顔で爆弾を投下してしまう。



「俺は乱れる花子とか見たら絶対我慢できないから動きまくると思うけど?」


「うん!それはそれで大問題かな!!」


「んふっ♪お熱いなぁ〜二人ともっ。そんな未来のおねぇちゃんに僕からスペシャルプレセント!!」



私とシュウ君のやりとりを嬉しそうに見ていたライト君がひょいっと私の手に乗せてきたのは
とっても可愛らしいピンクの飲物だった。
なんだろ…何かのジュースなのかな?


「これはね?魔界特製の美味しいおいしーいジュースなんだよ?花子おねえちゃんの反応可愛いからトクベツにあげるね?んふっ♪」



「あ、ありがとうライト君っ!」



「どういたしまして〜♪」



そんなそんなプレゼントだなんて嬉しくて思わず笑顔になってライト君にお礼を言えば彼もとっても嬉しそうに笑ってくれた。


なぁんだ!シュウ君がすっごく警戒してたからどんな子だろって思ってたけどとてもイイ子じゃないか。



そんな事を考えてればガチャリと扉が開かれてひょっこりとレイジ君が顔を出した。



「ライト、研究の副産物で出来た媚薬何処かへ持っていきましたか?先程から探しているのですが見当たらず…」



「………花子、それ飲んで。今すぐ飲んで。可愛い弟からの贈り物だし早く飲んであげないとライト君可哀想。」



「………シュウ君、私、騙されないんだからね。つんつーん。」




レイジ君の言葉を聞いた瞬間そわそわとしながら私に不自然すぎる言葉を投げかけたシュウ君を無視して
そのままライト君からもらった特別なジュースとやらを持ち主のレイジ君に返却した。


その後折角シュウといちゃらぶ出来るようにあげたのにー!ってライト君ぷんすこ怒っちゃったけれどぷんすこしたいのは私の方だ。



「しょ、初対面に媚薬ってどういう事!?もうもうもーう!!!」



「えー?だってシュウだって早く乱れた花子ちゃんを見たいと思って…はっ!そ、そうか!シュウのテクニックのみで乱れたいと!!さっすがおねぇちゃん!!」



「………俺の本気を見せる時が来たな。」



そうじゃない!!シュウ君も何を決意してるんですか!
けれどライト君もどうやら私を嫌うって事はなかったようでそれはちょっとほっとした…ほっとしたのだけれど…



「で?で?で?最初はどんな体位にするの!?ええーすっごい気になるぅ!!」



「花子の一番気持ちよくなる場所はどこだ…」



「………レイジ君、本日もお説教お願いします。」



ちょっと厭らしいお話に花咲かせ過ぎじゃないかな!?
もう満開なんですけど!?



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