俺の愛しの桃尻ちゃん


つんつん



「………」



ふにっ



「………」



もみもみもみもみ



「………」




困った…起きるタイミングを完全に逃してしまった!!!



少し前まで最愛と身体を重ね合って求めあっていて…
つい心地よい疲労感の元、目を閉じていればそのまま眠ってしまっていた。
そして何だか下半身に違和感を感じてゆるゆると意識を覚醒させてみればこのありさまである。



「おお〜やっぱ女の尻って柔らけぇ…ぷにぷに」



「………」



意識を覚醒させれば下半身の違和感は自分のお尻にあると確信したのはいいけれど
違和感の犯人である最愛…ユーマ君がすっごく興味津々と言うかもうなんか夢中で私のお尻を揉みまくっていたので
起きるタイミングをすっかり逃してしまいビシリと俯せのまま固まってしまって今に至る。



「…マシュマロ食いたくなってきた。」



「………」



「いや、寧ろ花子の尻をこのまま食いたい」



「!?」



私が起きてるって気付いてないユーマ君は言いたい放題だ。
声のトーンからするときっとそのお顔は悲しいまでに真顔なのだろう…それが余計に恥ずかしい。



「やべぇ…全然飽きねぇ」



もみもみ



「にしても可愛い尻だなクソ…可愛いのは顔だけにしろってんだよ。」



ふにふに



「…………」



つ、遂に無言で揉み始めてしまった!!
ううううこ、この事態をどうにかしたいけれど
いつ起きればいいかが分かんない…!!
只々されるがままになって数十分、気まず過ぎる沈黙を破ったのははユーマ君の行き過ぎた行動だった。




ちゅっ



「ひゃぁ!?」



「!?うおわあああああ!?」



どさっ
ごちんっ!



ユーマ君のスイッチが入っちゃったのかは分かんないけど
何を考えたのかさっきまで揉みに揉みまくってたお尻に可愛い音を立ててキスしてきてしまったからもう我慢できずに思わず大きな声を出してしまった。


すると私が起きてたなんて思ってなかったユーマ君はびっくりしちゃって大きく体勢を崩し、そのままベッドから転げ落ちて鈍い衝撃音が聞こえてしまう。


暫く経っても全然起き上がってこないから心配になってそろそろとベッドの端へ移動すれば突然にょきっとユーマ君の顔が現れて思わずビクリと体を揺らしてしまう。
その顔は真っ赤で涙目…そして頭にはおおきなたんこぶ…。



「えっと、ユーマ君…だいじょうぶ?」



「だいじょうぶ?じゃねぇよ馬鹿花子!!!起きてんなら起きてるって言いやがれくそ!!頭いってぇぇぇ」



「ご、ごめんね…!ユーマ君がすごく夢中でお尻揉んでたから起きるに起きれなくて…あの、」



「…………」



何で私が怒られたのかは分かんないけどユーマ君に怪我をさせたのは事実だから
素直に謝罪したけれど私の言葉にユーマ君のお顔が音を立てて更に赤くなってしまったので首を傾げる。
どうしたんだろ…私、何か悪い事言っちゃったのかな?



「ええと、ユーマ君?」



「…俺、悪くねぇし。」



「え?」



「花子がそんなクソ可愛い尻出してんのがワリィんだろぉ!?白いし柔らけぇし夢中になるのは当たり前だっつーの馬鹿野郎!!責任取ってもう一回抱かせろ揉ませろキスさせろ!!」



「理不尽!!!」



大きな声で喚き散らしながらがばっと覆いかぶさって来た理不尽すぎる最愛に思わず抵抗しようとしたてけれど
あっさり捕えられてしまってもはや身動きが出来ない。
うう…よく分かんないけど、どうやら私は悪くないのにこのままユーマ君のお仕置きを受けてしまうみたいだ。



「ゆ、ユーマ君…あの、手加減とか…」



「あ?んなの無理に決まってんだろ。さっきまでお前の尻揉みながらムラってたんだ寝込みで突っ込まれなかった分ありがたいと思いやがれ」



「うわん!さっきから言ってる事が理不尽すぎてツラい!!てうかそもそ、」



流石にちょっと前まで抱き合ってたんだから体力持たないって思って
おずおずと聞いてみてもかえって来たのは私にとっては死刑宣告そのもので、色んな意味で終わったと思い、最後の断末魔というか反論を言葉にしようと思えばそれは彼の大きくて乱暴な唇に吸い込まれてしまった。



「おら、覚悟キめろ。可愛い花子が悪い。黙って俺に全力で愛されとけ」



「うぅぅ…はーい」



もうこうなってしまっては何を言っても無駄だと思い、全てを諦めて
乱暴な彼の首にゆっくりと手を回せば満足気に笑うから私も静かに苦笑。



嗚呼、今日も彼のこのベッドからは抜け出せそうにない。



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