vs二次元ビッチ


「うわあああん!!ライト君!!ライト君構ってよぉぉお!!!何で浮気するの酷いよ!!!」



「えええええ花子ちゃんちょっと待って僕別に浮気してな…あ、待って待ってごめんなさい花子ちゃんお願いだから液晶に指紋付けないでよ見えない。」




ぎゅうぎゅうと花子ちゃんの親指が小さな液晶画面を押しまくっちゃうから画面は指紋でベタベタだ。
全く…ここまでやきもち妬きさんだなんて思わなかったよ。



「んもう!たかがエロゲーでしょ?こんなの浮気じゃないじゃない!!」


「うううう浮気だよ浮気!!こんな見ず知らずの奥行きない二次元ビッチに私のライト君取られちゃうとか心外すぎて死にたい!!!」



うわああん!と大きな声で泣いちゃう彼女に苦笑しながらもシナリオを進める為に花子ちゃん曰く奥行き無い二次元ビッチちゃんを沢山カーソルタッチしていけば漏れる甘い声に遂に花子ちゃんの堪忍袋の緒が切れてしまった。



けれど怒ったからって僕がプレイしてるのを本格的に邪魔するのはいけないと思っているのかゲーム機の電源は切らないし、寧ろ本体を取り上げるという事もしない。
只すぽんと胡坐をかいている僕の膝に頭を入れてすごく不満気に僕をしたから睨みあげちゃうだけだ。




「ライト君の浮気者…びっちくんだ。」



「ちょっと人聞き悪いよ?これでも花子ちゃんと付き合うようになってから花子ちゃん一筋なんだけどー?んふっ♪」



「嘘つき!!現にこの女と浮気してるじゃない!!なんだこんな奴!!私だってタッチしてやるんだからー!!!」



「わぉ♪これじゃ三人でシてるみたいだね?んふっ♪」



「ぎいいいいい!!!!!」



たしたしと再び画面を指で押しちゃうけれど、タッチパネル仕様の液晶は彼女の指にも反応しちゃって
画面の中のビッチちゃんは更にあんあん喘いじゃうので花子ちゃんのお顔にビキリと青筋が入ってしまう。
んん、怒った花子ちゃんも正直可愛いと思う。



「何なの!!ライト君!!私!!私の方が可愛いよ!!めっちゃイイ声出すよ!!!ライト君のライト君にだってめちゃめちゃご奉仕するよ!!!ライト君好みに動けるよ!!?」



「ぶはっ!!!!!」



よっぽど悔しかったのか僕の腰にぎゅううううって抱き付きながらも必死にアピールしてきちゃう花子ちゃんに思わず吹き出してしまった。



な、何なの…花子ちゃんが必死すぎてホント可愛すぎるんだけど!!!!



僕に相手してもらいたくて必死に縋りついてきちゃう彼女が可愛くて可愛くてもはやゲームどころじゃないんだけど
もうちょっと必死な彼女が見たくてちょっぴり意地悪しちゃう。



「でもこっちの二次元ビッチちゃんの方が花子ちゃんよりおっぱい大きいよ?」



「そ、そんなのライト君が毎晩私のお胸揉めばいいじゃん!!!おっきくなるよ!?」



「ぶふっ!!!!あ、後太腿だって二次元ビッチちゃんの方が…んふっ♪」



「き、きじょうい!!!騎乗位する!!!あれ、太腿引き締まるって聞いた!!!これから毎晩騎乗位するからぁぁぁ!!!」



「あっははははははは!!!!!!」




必死すぎる彼女にもう我慢の限界で声をあげて大笑いしてしまうと案の定花子ちゃんが「私は本気なのに!!」ってまた涙を零しながら今度はその頭でぐりぐりとお腹を攻撃してきちゃうので、今僕は腹筋崩壊と彼女の可愛らしい攻撃でちょっとピンチだ。



ひーひーと未だに笑いが収まらないまま、プツリとゲームの電源を落とした。
すると花子ちゃんは一瞬キョトンとしたけれどすぐに明るい笑顔になってがばりと起き上がってそのまま僕に全体重をかけて抱き付いてきちゃう。
んんん、僕の彼女が僕に関して必死すぎて可愛い。




「やった!勝った!!二次元ビッチに勝った!!!ライト君大好きー!!!!」



「はいはい、勝った勝った。オメデトー。」




大はしゃぎの彼女を受け止めながら苦笑。
こんなに僕の事で必死になってくれる人って今までいなかったからちょっぴりくすぐったい。
…必死になる内容は本当に馬鹿みたいなものだけどね。




「じゃぁ花子ちゃん?はいっ♪」



「?」



そのままひょいっと横抱きにして立ち上がりスタスタとベッドへと赴く。
突然どうしたのかって感じでくたりと首を傾げちゃう花子ちゃんにまた吹き出しそうになる。



「ほら、二次元ビッチちゃんに負けないようにイイ声出してご奉仕して動いてね?」


「!が、がんばりますっ!!!」


「ぶふぅ!!!!!」



ここは真っ赤になって「やだ、ライト君恥ずかしい…」って言う所だよ花子ちゃん!!
なんでそんな重大な使命背負ったみたいなクソ真面目な顔して答えちゃうの可愛いなぁ!!



他のビッチちゃんみたいな感じじゃなくて馬鹿丸出しな反応をしちゃった自分の彼女にもう何度目かわからない腹筋崩壊を起こしてベッドに辿り着く前に膝から崩れ落ちてしまう。



腕の中であわあわと慌てちゃう花子ちゃんには申し訳ないがちょっと暫く復活は難しい位僕のツボに入ってしまって笑いで息が苦しい。



「あー…もー…花子ちゃん必死すぎ。かわいい。」



「だって大好きなライト君に関して必死にならない事はないよ!!!」



「……………それは反則。」




彼女の可愛らし過ぎるその言葉に易々と理性がはじけ飛び、その場で深く唇を奪って押し倒す。
ちゅっちゅっと花子ちゃんも自分から舌を差し出して必死に応えてくれちゃうからもう僕は止まる事が出来ない。



「うん、やっぱり二次元ビッチちゃんより花子ちゃんだね、んふっ♪」



「!」



僕の言葉がよっぽど嬉しかったのかすっごく嬉しそうな笑顔のまま
手足を使って羽交い絞めにしてきちゃう花子ちゃんに苦笑。




「んー…でも、もうちょっと色気を覚えよっか?なんかこれじゃ僕が捕獲されてるみたいだし。」




ま、結局身も心も花子ちゃんに捕獲されっぱなしなので別にこれはこれでいいけれど…
なんて考えちゃう僕はもしかしたらちょっぴり末期なのかもしれない。



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