【忍界大戦後】

暁構成員ということ、しかし木ノ葉へ口寄せされた水無月一族ということで、木ノ葉での監視処分になる。郁は幼い頃に住んでいた水無月の家で暮らすことに。考える時間はたくさんできた。思った以上にオビトを失ったことが大きくて歩き出すには時間がかかりそうだ。アカデミー時代にクナイ投げを練習した木、駆け回った家の中。しまい込んでいたのか、今では着れない中忍ベストも出てきた。カカシとは和解した後のため、特に殺伐とした空気にはならないが今更素直になるのも馬鹿馬鹿しくてあまり接する態度は大きく変わらない。ただ、以前のように「カカシおにいさん」と呼べるようにはなった。暗部に監視されながら過ごす日々。仕事くらいは探さなくては、郁ができることは少ない。里抜けしてからも忍だった。一般人には戻れない。選択肢なんてなかった。──もう一度、また、木ノ葉の忍として、生きてみようと、思った。また好きになってみようと、頑張ろうと思った。






月日は流れ、郁は一般男性と結ばれて息子と娘を出産し、木ノ葉の特別上忍として生きていた。真っ赤な髪と真っ赤な目の息子、淕。茶髪に茶の瞳の娘、菊。帰れなくても新しい帰る場所に大切なものができた。 その大切なものを守るために、違う世界で生まれた郁は今日も生きていく。


戻る
ALICE+