chapter:Arabian Nights どんなに絶望がやって来たとしても、必ず救いの手は差し伸べられることを、オレは知っている。 たとえ、身が引き裂かれそうな苦しみが――。 胸が張り裂けそうなくらいの悲しみが――。 この身に降りかかろうとも……。 助けを求めれば、必ずしも救われる。 人生をあきらめさえしなければ……ぜったいに。 ……だけど――。 まさか、その救いの手を差し伸べてくれる人によって、オレの人生が左右されるとは思わなかった……。 こんなに切なくて、苦しい思いをするなんて、その人と出会った時は、まったく気づかなかったんだ……。 |