アラビアン・ナイト
prologue





chapter:Arabian Nights







どんなに絶望がやって来たとしても、必ず救いの手は差し伸べられることを、オレは知っている。


たとえ、身が引き裂かれそうな苦しみが――。


胸が張り裂けそうなくらいの悲しみが――。


この身に降りかかろうとも……。


助けを求めれば、必ずしも救われる。

人生をあきらめさえしなければ……ぜったいに。



……だけど――。


まさか、その救いの手を差し伸べてくれる人によって、オレの人生が左右されるとは思わなかった……。


こんなに切なくて、苦しい思いをするなんて、その人と出会った時は、まったく気づかなかったんだ……。





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