lovelabyrinth.02


夕方に配達される新聞を取りに玄関に向かった華憐は、郵便受けに届いていた手紙に気付いて一緒にリビングに持って行った。

「蒼ー、お手紙が来てたよ」

「手紙?」

ソファに寝転んでいた蒼が面倒そうに声を上げる。

「分かった、その辺に置いといてくれ」

「いいの?読まなくて。このお手紙、騎士団本部からみたいだよ。急ぎの用だったらどうするの?」

「どうせいつもの定期報告だろう。後で読むから」

「後で、なんて言って結局忘れちゃうでしょ。この前もそうだったし」

華憐は寝転んだままの蒼に更に続ける。

「大体、そんなにごろごろしていたらキノコが生えちゃうよ。少しは動かないと」

「俺は夜行性なんだよ。夜になったら動く」

「もう、そんな子供みたいな事言わないでよ。仮にも騎士団長の跡取りなんだから、もう少し責任を持って……」

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