preciousjewel.02


騎士団本部から戻る途中に、四人は必要な物を買い足したり宿を決める為に幾つかの街に立ち寄った。

その日の宿が無事に見付かった後、蒼と華憐は買い物の為に夕方の街に出た。

此処は旅人が集まる街だからか人が多く混み合っている。

「おい、華憐。はぐれるなよ」

「大丈夫だよ。ちゃんと付いて行くから」

華憐が真面目に返事をしたが、蒼はどうも不安だった。

きちんと見張っていようと思っている矢先に、隣を歩いていた華憐の姿が忽然と消えた。

「華憐!?」

驚いて振り向くと、転んだらしい華憐が起き上がるところだった。

「大丈夫か?」

「……うん、多分」

しっかりと荷物を抱えたまま立ち上がった華憐は、心配そうに袋の中を覗き込む。

「大丈夫だと思うよ。割れるような物は入ってないし」

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