gamestart.02
ゲームが行われるのは、大きな劇場のある街だった。
四人は参加の登録を済ませ、出場者に提供される住居に落ち着いた。
大きくはないが部屋が何室かあり、一人一人個室で休む事が出来る。
それぞれ荷物を片付けてから、四人は大きなテーブルとソファが置かれたリビングに集まった。
「取り敢えず、主催者に近付くには予選を勝ち残って本戦に進まないとな」
「うん、そうだね」
テーブルの上に登録の際に渡された書類を広げた蒼の後ろから、華憐も覗き込む。
「でも、行けると思うよ。私達なら」
「頼もしいな、華憐」
腕組みをしてソファに腰を下ろしている阿紋が微笑んだ。
「その意気だよ。君がそうあってくれれば、僕達は負けない」
「ああ。何しろこの俺がいるんだからな。華憐は余計な事は考えず、勝つ事だけを考えていろよ」
「……うん」
華憐は厳しい瞳で頷き、ドアの方に体を向けた。
「じゃあ、ちょっと行って来るね」
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Reservoir Amulet