ネタ

勝手に増えたり消えたりするネタ倉庫
赤井妹
工藤姉
星屑関連
勧善懲悪には程遠い
その他
他ジャンル
つぶやき

▽無題

巻き込まれ系社畜

ほぼキャラと絡んで居ない
社畜ヒロインの日常
ーーーー

鳴り響くタイマー
響き渡るヘルプの声
新人のフォロー
クレームの対応
店中駆け回りながら全力で動き回った昼ピーク

「…そして片付けタイム突入、と」
「お疲れさん」
「幸せそうに御昼ご飯食べれていいですねぇ店長」
「ごめんって」

大量に積み重なった洗い物を洗浄機へ打ち込んで回しながら、その間にソースがべっとりついたバットを綺麗にしていく。
厨房の入り口で呑気にバーガー食べながら寛ぐ上司は見ないふり。
すでに私の中で上司などいないも同然であった。

「まぁまぁ、前の店舗よりはうちのが売上良い分機材も新しいし楽でしょ?」
「そうですね、前の店舗の方が店長は協力的でしたし」
「ごめんって」

転勤してきて一週間。
売上トップクラスを誇る店舗故か、機材はどれも新しく、スタッフも優秀。
無駄なく回る店に感動したのも最初だけ。
この上司やる気あんのか。

「まぁ骨董品レベルの機材のメンテしなくて済むって考えたら多少は気が楽ですね」
「あぁ、あのマシンいつのってレベルだったよなぁ。とっくに製造終わってるらしいし」
「それだけ保たせる優秀な店ってことで」
「買ってもらえないの間違いじゃん」

哀れなる元上司様。
赤字店舗でもひいひい言いながら頑張っていた元上司も、売上の前では誰にも敵わないらしい。
数字が全てとは思わないが、数字が出せなければ何も言えないのがこの社会である。

「独立型店舗って案外儲かるもんですね」
「まぁ大型ショッピングモールには負けるけど、テナント型は大元の店が客足減ったら終わりだからね」
「そうなんですよねぇ。店長同士が頭抱えてるの見たときはちょっと泣きそうになりましたよ」
「意外と上司思いなんだね」
「貴方の代わりに店中駆け回ってますからねぇ」

忙しくて店長探せば居なくなっていたり、ピーク落ち着いたと思ったら休憩行ってたり、上司のフォローはそりゃあもうクレーム対応するよりも大変だ。

「おかげで俺の負担も減って気持ちに余裕ができたよ。ありがとう」
「それはよかった。半泣きの元上司をオーナーと説得した甲斐がありましたよ」
「いやほんと、彼には悪いことしたなぁ」

飲食店の労働環境に悲鳴をあげて辞めていく平社員の中で、唯一残った私はあちこち飛ばされる身となった。
バーガーチェーン店は基本は店長一人とバイトやパートで回す事が多いし、その分店長の負担も大きくなる。
あの店舗やべぇなと思ったらテコ入れとして私が配属されるシステムにいつの間にかなっていた。
まぁ赤字店舗と黒字店舗じゃあどっちが人手不足かなんて考えずとも分かる。


「きゃああああ!?」

不意に耳に飛び込んだ悲鳴。

「前を失礼します」

バーガー片手に首をかしげる呑気な上司を押しのけてフロアに出ると、震える手でトイレを指差す女性。

「どうされましたか?」
「と、トイレに行ったら、ひ、人が…っ!」

しんでる…と消え入りそうな声で呟かれ、急いでトイレに駆け込むと、其処にいたのは頭から血を流して倒れる女性と、その遺体を観察するように見つめる少年。
…さて、これで曰く付き店舗となったわけだが犯人よ、なんて事しやがる。

「店長、誰も店外へ出さないでください。殺人事件です」

よくも人様の店を曰く付き店舗にしてくれたな。
絶対許さん。

ーーーーーー
この事件をきっかけに色んなことに巻き込まれる社畜ヒロインだといい
もしくは遠巻きに関わっていたり
勿論少年は江戸川様です
麻酔銃撃つところやネクタイ口に当ててしゃべる所とかバッチリ見てしまったり。
人が死んでることよりも、勤務先を殺人現場にされた事にブチギレする
ーーーー


バイトのサボりのせいで結局ラストまで働いてしまった…
全てを終えて店を出た時には辺りはすっかり真っ暗である。
もう慣れました。
朝の7時から夜の12時までお店に居たって凄くない?慣れたけど。
拘束時間が長いせいか、1日で2日働いたような感覚がする。
明日…日付変わったから今日も、か。
5時起きだからさっさと家帰ってシャワー浴びて寝ないとまずいな。と考えながら歩いていると、目の前に落ちてきた何か。

「…嘘だろ」

ぐしゃり。
見事目の前に落下して血を流した男性に急いで119と110へと電話をかけた。
あの日から私は呪われているのかもしれない。
…お祓い、行っとくか。

ーーーーーーーー
因みに上記の労働環境で生活し続けると普通に体を壊すので皆さんお気をつけくださいね!
ヒロインは栄養ドリンクと点滴で生きてるよ!社畜こわい
この後事情聴取うんぬんで仕事あるっつってんだろーが!と日頃のストレスも溜まってるせいでブチギレるヒロイン
通りがかりの江戸川様御一行にさっさと片してくれと泣きつけばいい
ーーーーーー

漸く訪れた休日を満喫しようと本を鞄に突っ込んで喫茶店を訪れると、そこは激混みでした。
…喫茶店ってこんなに混むっけ?
女性が殆どを占める店内と、たまに聞こえる黄色い声。
…成る程、イケメン店員が目玉ってか。
うちにもイケメンバイトは居るけれど、奴らは厨房メインだからな…フロントも教えて前に出したら更に儲かるだろうか…うん、明日からフロントも仕込んでおくか。

「お待たせしてすみません、すぐにご案内しますので」
「いえ、お気遣いなく。混み合っているようですし、また来ます」

イケメン店員にそれだけ告げて店を出た。
何か言われた気がするけどまぁいいか。
頭の中ではイケメンバイトのフロントトレーニングの事でいっぱいだった。

2017/06/12(23:47)


←prev | next→

※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
top