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▽無題

吸血鬼とかハンターとか神父とかそういうパロA
また勢いだけで書きたいところだけ書きました。
※メリバのちのハピエンです
永遠に降谷のターン

ーー

彼女を悪魔だと人は言う。
彼女を殺せと人は言う。
彼女が一体何をしたのだと言うのか。
彼女が人に害を与えたことがあっただろうか。
異性を惹きつけるのは本人が望んで得た力ではない。
だからこそ、それは呪いと言うに相応しかった。
自制心を失い彼女を襲ったのは人の方だというのに、何故彼女が悪魔だと責められなくてはならないのか。
満月の夜にだけ訪れる飢えだって、人に害はない。
ただ空腹を満たすために血を求め、体の疼きを納める為に縋るだけ。
他の誰でもない、この身だけを求める彼女の何が悪魔だというのか。
彼女の全てを愛し、受け入れ、守ることができるのは自分だけだ。
他人に何がわかるのか。
無垢な笑顔で生きるだけの少女を、どうして殺せなどと言えるのか。
彼女を悪魔と呼び、殺せと喚く人々こそが、自分には悪魔に見えた。

「秀一おにいちゃん、わたしをころしていいよ」

辿り着いた先でハンターに身を委ねる少女は笑っていた。
やめろ、触るな、誰にも彼女は殺させない、お前だけには、絶対に殺させてなるものか。

「ーーっ!」

怒鳴りつけるように叫んだ彼女の名前。

「やめろ!殺すな!彼女に触れるなッ!」
「れいくん」
「お別れなんて言うなよ…っ、ずっと側に居ると約束しただろ!絶対に離さない、誰にも殺させない…っ!!」

一目見たあの時から、彼女の側に居るのだと約束した。
自分がずっと側に居るのだと、決して離れないと約束した。
たとえ誰かが彼女の正体に気付いても、殺せと言っても、俺は絶対に側に居るのだと誓ったんだ。

「大丈夫…大丈夫だから…っ、俺が、ずっと側にいる。一人にはしない」

赤井を押しのけて抱きしめた小さな体。
その細い腕がまるで宥めるように俺の背中に巻きついた。
触れ合った場所から伝わる体温は、彼女が生きていることの証だ。
同じように血が巡るその体で、同じように息をして生きている証拠。

「でもね、零くん、私は生きてちゃだめな存在だから、もうばいばいしないといけないよ」

だからお母さんもお父さんも死んだんだよ。
とまるで受けいれるように淡々と言葉を紡いだ彼女は、完全に死を受け入れていた。

「…まずい、追っ手が近づいてきている。ここは俺が時間を稼ごう。君達は森の奥まで逃げるんだ」
「何のつもりだ赤井…!」
「君に貸しを作るのも悪くないと思ってな。早くしろ」

悪魔を殺せと叫ぶ声が近づいてくる。

「直ぐに返してやる」
「気にせんでくれ。気長に待つさ」

早くこの場から逃げなければと抱き上げようとすれば、拒絶するように突き出された腕。

「…どうして」
「だめだよ、悪魔は退治されるものだから。エクソシストとハンターはそれを退治する人でしょ?二人は人の味方だから、私の味方になっちゃいけないよ」

こっちは彼女に死んでほしくなくて、悔しくて、情けなくボロボロ泣いているのに、彼女は何時もと同じように笑うのだ。
俺の大好きな笑顔で、俺に残酷ことを言う。

「…なら俺は悪魔になる」
「何を言ってるんだ君は!早く彼女を連れて逃げろ!」

どうだっていい。
悪魔とか、人とか、そんなもの。
彼女と共に在ることができるのなら、彼女の側に居れるのなら、どうだっていい。

「悪魔に心を奪われた男と言われようと、同じ悪魔と言われようと構わない。俺はお前と居れるのなら、地獄の底にも共に堕ちる」

光の下で生きられないと言うのなら、俺も共に堕ちよう。
この世で生きてはいけないと言うのなら、俺も共に死を選ぼう。
一人にはさせない。
させてたまるか。
生きる時も、死ぬその時も、その後も、ずっと共に在ると決めたんだ。

「零くん、私のこと好きなんだね」
「そんな生温いものじゃない。何処までも共に堕ちるんだ、こんなものがたかが恋情で済まされてたまるものか」
「どうしよう、だめなはずなのに、うれしくてしかたないや」

そう言って笑いながら俺と同じようにボロボロと涙を流した彼女を強く抱きしめた。
もうすぐこの礼拝堂のドアが壊されるだろう。

「零くんに、殺して欲しいなぁ」
「他の誰にも殺させはしないさ」
「…先に逝ってまってるね」
「ああ、直ぐに追うからちゃんと待ってるんだぞ」

触れるだけのキスをして引き金を引けば、同時にドアが壊される音が響いた。

「残念だったな赤井、お前に借りを作る気はない」
「この後始末はサービスにしておこう」

喚く人々の声など俺たちには聞こえちゃいない。
心残りなどもうありはしない。
強いて言うのなら最期の言葉は赤井と交わしたこと位か。

米神に当てた銃口を見て叫ぶ人々を嘲笑い、静かに引き金を引いた。

ーーーーーーーー
流れとしてはこんな感じのメリバです。
ただのバッドエンドじゃないからメリバっていいんでしょうね。
二人だけの幸せの形が心中でしたっていう。
でもこれだけで終わらせるのは嫌なので、来世で再会ハピエンが待ってるよ!!
色んな人が生存しているという優しい原作軸
ーーーーーーーー

「零くん!」

忘れる筈もない、懐かしい声がした。

「ーーーーっ!」

何年も探し求めた姿が、そこにあった。

「零くんまたないてるね」
「何年探したと思ってるんだ…!」

ずっと追い求めた少女を抱き締めれば、最期に抱き締めた時と同じ体温を感じた。
あの時と同じだ。
俺は情けなくボロボロ泣いて、お前は笑ってるんだ。

「あのね、私生きててもいいように産んでもらったよ!」
「…ああ、今度こそ共に生きような」
「耳も尻尾も血も要らないけど、側に置いてくれる?」
「そんなのあってもなくても関係ないよ。悪魔でも天使でも何でも、関係ない。何なっても俺はずっとお前の側にいるよ」

ーーーーーー
みたいな感じでハピエンが待ってます。
因みに降谷零29と女子高生ヒロインだから結婚はしても健全なお付き合いが続く。
卒業したら手を出せますね!
因みに前世の両親も人間になって平和に暮らしてる予定なので、どの面下げて来とんじゃワレって笑顔でキレる美人母と、まぁまぁと宥める優しいお父さんが居ます。
お母さんはからかいたいだけ。
お父さんは割り切ってる。
というかこの一家は割と自分たちが殺される側で人間側が殺す側っていうのを受け入れているから、前世でお父さんが人を恨むこともなかったという裏設定。
嫁死んで悲しいけどこれも運命だ的な。
でも未成年の娘を嫁にくれとか言われたら父が笑顔でキレて母は笑いながらその光景見てると思う。
セーラー服っていいですよね。
赤井さんは優しく見守る近所のお兄さんポジションのままです。
本当はもっと安室寄りの性格と口調の予定でした。
ちゃんと書く時があればちゃんと安室寄りの性格と口調にしたいですね!
もっとべっとり甘い感じでヤンデレ臭増し増しにしたい。
降谷零をイメージしてると何故か男前口調になります。
ちがうんだ…もっとメンヘラっぽい病んでる神父様にしたいんだよ…

普通にかっこいいだけの降谷さんはうちのサイトには居ないのが悩みどころですね。
解せぬ。

2017/06/16(23:05)


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※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
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