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▽無題

Dr.ワトソンB
捏造しかないやりたい放題
FGO夏イベのネタバレがほんのりあります


「参観会、ですか」

受け取ったプリントに記された文字を読み上げれば、我がマスターは顔色を伺うようにこちらを見上げた。

「…むり?」

ああ、今日も我がマスターは健気で素直!純粋無垢の体現者とは彼のことだろう。
どうかそのまま真っ直ぐ育っていただきたい。

「フム、参観会とはこれまた面白そうな行事だネ。ではマスター、ワタシのことはダディと呼んでくれたまえ!」
「口を慎んでいただこうかモリアーティ教授。マスターは私をご所望だ。それと君はグランパだろう?ダディとはこれまた大きく出たものだね」
「おのれホームズといいワトソンといい、何故貴様らは若さ溢れるイケメンなんだ…!」
「おや、どうやら腰の具合もよろしくないようだ。グランパは大人しく休んでいるといい」
「犬風情が言ってくれるじゃないか」

「まるで親権争いをする夫婦のようだな」
「「黙れホームズ!!」」

何故私がこの男とそんな風に言われなければならないのか。

「争っていても仕方ないだろう。マスター、君は誰をご所望かな?」
「僕ドクターがいい!本当は3人に来て欲しいけど、それは我慢する」
「マスター…!!」

なんと愛らしく、そしていじらしいのだろう。
この私を一番に選んでくださるその優しさに思わず涙が出そうだ。

「ワトソンをご所望ということは女性が必要だということだ。そのスーツは着れないな友よ」
「…なんだって?」

思わず聞き返せば我が友はプリントを読めとジェスチャーを送る。
そのまま文字を追っていけば、どうやら親への感謝を伝える授業らしい。

「どこに女性が必要だと書かれているんだ?」
「曜日は平日、主に集まるのは母親になるだろう。女性というのはコミュニティを築く事に長けているからね。どう考えても君が適任だ」
「別にこの姿でも構わないだろう?」
「わざわざマスターが君を選んだんだ。それなりの服装をして当然だろう」
「犬の女装等たかが知れているだろうがネ」

自分が行けないからって私に当たるな。

「我がマスター、貴方は私の女装をご所望で?」
「ドクターとっても綺麗だから、女の子の格好してるとこ見たいなぁ」
「決まりだな」

ホームズの言葉によってこの件は片付けられた。
…ああ、わかっているさ。我がマスターがお望みであればするさ。ああそうとも、マスターに恥無き淑女へと変貌を遂げてみせるさ!

「我が友ホームズ、君を変装の達人と見込んで頼みがある。どうか私を恥無き淑女とする為に協力してもらえないだろうか」
「それは構わないが、君の場合変装でも女装でもなく正装と言うのだがね」
「そんな細かいことはどうでもいい。君すらも見惚れる程の淑女に仕立て上げてくれ」

「マスター、君はもう少し見る目を養った方がいいんじゃナイ?」
「ドクター綺麗だよ?」
「内面も見抜けてこその紳士サ」

ーーーーーーーー
ダディと呼ばれたい教授と、親権は絶対に譲らないワトソン。
でも夏イベ見てたらパパ呼びが一番のストライクだったんだね教授…私もフランちゃんに呼ばれたい。
ーーーーーー

「ねぇ、あの綺麗な人って誰のお母さんかな?」
「母親にしては若くも見えるし、もしかしたらお姉さんかもしれないわよ?」
「とっても綺麗な人ですね!」
「でもよぉ、そしたら隣の兄ちゃんは誰なんだ?」

ざわざと教室の後ろに集まる視線。
保護者の視線すらも集めるその先に居たのは間違いない、ホームズと…誰だ?
スラリとモデルのように伸びた手足と優しげに微笑む顔。それは彼らのマスターである少年へと向けられている。
…待てよ、あの顔確か何処かで…

「Dr.!?」
「コナンくん知ってるの?」

驚きのあまり思わず立ち上がって指差せば、彼ーーいや、彼女はくすりと控えめに笑ってから口元に人差し指を立ててみせた。

「みんなー、親御さんが来て後ろが気になるのはわかるけど、授業を始めるからちゃんと前向いてね」
「「はーい!」」

嘘だろ、あの人あんな格好もすんのかよ…元々綺麗な顔立ちではあったけど、服装のせいか纏う空気すら別人のようだった。
普段のDr.が気品溢れる紳士なら、今の彼女は母性溢れる淑女といったところだろうか。
それにホームズも来てるなんて…ホームズとDr.が来てるならモリアーティ教授は留守番か…ちょっと見てみたかったな。
それにしてもあの二人が並んでいる姿を見れるのは感激に近いものがある。
推理をするホームズとそれに相棒として付き添うDr.の二人もいいが、ああやって男性と女性として並ぶ二人の姿はまた別の意味で画になっていた。
まるであそこだけが別の空間のように見えた。
他の奴らも気になるのか、授業が始まってなおもチラチラと視線は後ろへと向いている。
…Dr.も細いけどホームズも背が高くてスラッとしてるから余計に画になるんだろうな。
モリアーティ教授がホームズがイケメンな姿で召喚されて悔しがっているって聞いたけど、確かに彼の容姿は整っている。
しかしそれに負けず劣らず寄り添うDr.もまた綺麗だった。

「僕の家族」

彼らがマスターと呼び慕う少年の番になると、Dr.の手にはビデオカメラが握られていた。
…ブレねぇな、あの人。

「僕には血の繋がった家族はもういません。僕一人を残してみんな天国へ行ってしまったからです。一人ぼっちになったあの時は寂しくてしかたなかったけど、ドクターが僕の前に現れてくれました。助けてと、そう願った僕の言葉を聞きつけて、私が君を救おうと、ドクターはそう言ってくれました」

誰もが彼の言葉に耳を傾けていた。

「私が貴方の側にずっとおります。そう言って僕を抱きしめてくれたあの日から、ドクターはずっと僕の側に居てくれます。今では僕の側には3人の大人が居てくれるようになりました。とっても楽しい毎日を僕にくれる3人は、今の僕にとってとても大切な家族です」

少年が原稿から顔を上げて振り返った先には、口元を覆いながら涙を浮かべるDr.と、その背を支えるように手を添えるホームズの姿があった。

「ありがとう!それとこれからもよろしくね!」
「ますたぁ…っ!」
「こちらこそ、宜しく頼むよ」

盛大な拍手が上がった。
…Dr.は授業が終わるまでずっと泣いていた。

「う…っ、我がマスターが尊い…っ」
「…君のその涙腺の弱さは一体どうなっているんだ」
「これが母性だというのだろうか我が友よ」
「…そうだな。君にも存在してしかるべき感情だ、友よ」
「まさかこんな日が来ようとは…」
「何も不思議なことはない。今の君は立派な淑女であり、彼にとって母のような存在でもあるのだから」

そんな会話もバッチリ撮られていたのをDr.が知るのは、マスターの勇姿鑑賞会と称して映像を流した時だったわけだけど、これはまた後日。
勿論モリアーティ教授の餌食にされていたが、冷静なホームズにかわって珍しく真っ赤な顔で言い返すDr.に少しだけ本来の姿を見たような気がした。


ーーーーーー
男装の麗人だし、女装したら綺麗系かなと。
男装時はホームズも細身だし見た目について言われることもなさそう。
ホームズは友が女性らしい服装をして母性を自覚している姿に少しだけ安心してればいい。
男でいること、紳士で居ることに拘る姿を見ていた分、本来の性別をすんなりと受け止めて自然と振る舞う姿も悪くないとか思っててくれたら私が嬉しい。
英国紳士であろうとするDr.ワトソンは彼女が医者として存在する為に演じて居る人格、みたいなそんな感じです。
女性という性別のままDr.が周りに受け入れられていれば、こんな風に母のような姿や淑女として生きる物語もあったのかなとかそんなん。
多分過去に女装させられて潜入調査とか行かされてる。君が行けばいいじゃないか!と怒るワトソンをホームズが適当に言いくるめるパターンで毎回やってたらいい。
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もしもコナンくんがワトソンを召喚したら

「日本という国は世界的にも平和な国だと認識していたが、どうやら違うらしいね。よろしい、怪我人の治療は私に任せてもらおうか」

ヘリの風圧で吹き飛ばされた体を受け止めたのは、細身の青年だった。

「…魔力量は十分、成る程、どうやら大当たりというやつだね。ならば早速治療をはじめようか」

真っ白な手袋をはめた手が突き出され、穏やかな声が呪文のような言葉を紡ぐ。

「…な、にが…っ!?」

その手が淡く光ったかと思えば、敷地内のすべてを包み込む光。
じわり、と傷口に感じた暖かさ。

「我がマスターは上質な魔力をお持ちのようだ。これは貴方の力があってこそですよ」

ーーーー
純黒のヘリが襲撃してる辺りのイメージでしたが、ここまでしか浮かびませんでした。
多分コナン君に召喚されてたら四六時中ホームズの話されてワトソンがノイローゼ寸前になると思う。から、基本霊体化してそう。
でもワトソンにはマスター溺愛しててほしいし、それを呆れた顔で眺めるコナン君が好きなのでコナン君が召喚することはないかな…
ーーーーーーーー


「ホームズ!君はどうしていつもそう突っ走るんだ!君の推理が間違っているとは言わないが、もう少し周りに配慮した発言をしてはどうなんだ」
「女性は君の領分だろう。君がなんとかしたまえ」
「ああもう、本当に君ってやつはどうしようもない自己中男だな!言われなくともそうするさ!」

目の前で行われるホームズとワトソンの会話は、まさしく探偵とそれに付き合う助手のものだった。

「コナン君?」
「あ、ああ、ごめん、つい二人のやり取りに感動して…だってこんな二人を生で見れるなんて…!」
「仲良しだよね」

ふわふわといつも通りの空気を纏って笑う彼らのマスターは、やっぱり天然だと思う。
それをDr.に聞かれようものなら彼ーー彼女はすぐに訂正の言葉を入れるのだろう。とはいえ、やっぱり二人の関係はこうしてみていても信頼関係の上に成り立っているのだと思うと中々に感極まるものがある。

「さて、では君の推理もお聞かせ願おうか。小さな探偵くん」

俺、今あのホームズと推理してるのか。

「この男よりも紳士らしく女性を気遣う推理を頼んだよ、少年」

ーーーーーー
こう、さらっと地雷を踏むホームズはわざとなんじゃ?って思うし、それをフォローする人が居るの分かった上でやってると思うから、やっぱり性格悪いと思います。そういうの好きだからどんどん沼にハマっていく…
そしてフォローに徹する英国紳士なワトソン。
多分ワトソンは毎回ホームズに地雷踏まれた人のメンタルケアしてる。
ーーーーーーー

「最近教授の様子が変だけど何があったの?」
「父性に目覚めたらしい」
「…ああ、だからか」

さぁパパになんでも言ってごらん!とまるで親バカ丸出しの父親のように、デレデレの顔をマスターである少年に向ける教授と、笑顔でパパだいすき!と伝える少年を見守るDr.の顔は、なんとも言い難いものだった。
溺愛するマスターが幸せそうなのは嬉しいけれど、パパと呼ばれて調子乗ってる姿を見ると腹立たしい。と言ったところだろうか。
…つーかどうしてああなったんだ?

「ワトソン、吹き込んだのは君なんだからいい加減諦めたらどうだ」
「どういうこと?」
「かの教授がまたろくでもないことを企んでいると予想したワトソンがマスターに吹き込んだのさ」
「…パパって呼べって?」

そんなまさか。
信じられないとホームズを見上げれば、彼は表情を変えることなく頷いた。

「…ああするしか方法はなかった」
「彼が何を企もうがこの私が必ず暴いてみせたがね」
「君は楽しむからタチが悪いんだ。何かあってからでは遅いんだよホームズ」
「ほう、では君は私には未然に防ぐことはできない、そう言うのか」

なんとなく、空気が重くなって来たような気がして、助けを求めるように彼らのマスターに目を向けると、かの少年は無邪気な笑顔で爆弾を落として言った。

「ママ!」

そう、確かに、はっきりと、彼はそう言ったのだ。
これには流石のホームズを片眉を上げて驚いた様子を見せたが、それも一瞬のことだった。

「さて、敬愛なるマスターにママと呼ばれた気分はどうだい、友よ」
「…何かで胸を貫かれたようだ…私は無事かホームズ」
「そうだね、外見的には無事だが中身がやられている」

なんだ、これ。

「しかし君がママならモリアーティ教授とは夫婦となるな」
「「なんだって!?」」
「彼がパパで君がママならそうなるだろう」
「今の発言は撤回してもらおうかホームズ!」
「私にも選ぶ権利と言うものがあるからネ」
「安心したまえ、ワトソンの料理の腕は私が保障しよう」

あああああ、話がどんどんややこしくなってるぞ。
その原因の少年はといえば、いつものようにふわふわした笑みを浮かべながら「みんななかよしだね!」と俺に嬉しそうに語りかける。
カオスってこういう時に使う言葉だよな。

「よりにもよって悪の親玉が夫だなんて冗談でも勘弁してくれ。夫婦なら君との方がよっぽどいい」
「…なんだって?」
「聞こえ無かったのか?私は君とならいいと言ったんだ」
「どうやら丸く収まったようだネ。よかったなホームズ、君のような男でもいいという物好きが居て」
「待て、言葉の真意を計りかねる。ワトソン、君は自分が何を言っているかわかっているのか?」
「言ったままだろう。珍しいな、君が焦るなんて」

「見たかい少年。イケメンスカし顔のホームズの焦った顔ときたら愉快だネ」
「教授、どうするのあれ」
「どうも何も、私が間に入る義理も必要もないからネ。それこそ馬に蹴られてなんとやら、だろう」
「ホームズとドクターは夫婦だったんだね」

いや違う。絶対に違う。
この拗れに拗れた空間を正せるのはたった一人、彼らのマスターである少年しかいないのに、この様子では暫くは収集がつかないだろう。
きっとDr.はホームズとは付き合いも長いし悪の親玉と言われる教授よりもマシだという意味も込めているのだろうけど、言い方がマズかった。
ホームズもホームズで冷静に考えれば辿り着ける筈なのに、何故その真相に辿り着けないのだろう。

「妙だという顔をしているネ」
「…え、ああ、うん。ホームズならDr.の言ってる意味にすぐ気付くとおもったんだけど…」
「簡単サ!ホームズもまた一人の男だったって話だ」
「…それって、つまり」
「さてネ。私にあの男の真意などわかる筈も、知りたくもないが、馬に蹴られたくなければ放っておくのが一番だ」

そう言ってマスターである少年を抱き上げて去っていく教授はもう二人の事など頭から追いやってしまったのだろう。

「…俺も帰るか」

二人の真意は当人たちにしか分からないのだろう。
なら、俺が考えたところで仕方がない。
馬に蹴られる前に俺も帰ることにした。

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親友以上恋人未満なのがホームズとワトソンかなと。
マスターに教授をパパと呼ばせたかっただけなのにどうしてこうなった!
コナン君視点で書くのが楽しくて好きです
ーーーーーーーーーー

2017/08/17(19:56)


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※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
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