彼女代理やります
珍しくパーツモデルの仕事が2個重なってついさっき終わった。時間を確認するのにスマホを見れば21時を過ぎていて、ソシャゲのLP漏れまくりだなーとため息をつく。ブラウォーの限定クエストが22時からだからそれまでには帰らないと。家まで帰ろうとすれば、少し先に見知った人を発見。
普段着とかけ離れてるけどあのスーツを着たイケメンは間違いなくたるちだ。笑顔引き攣ってるよ、そんなんじゃバレるよ。なんて思いながら周りを観察せる。他にたるちより年齢が高めなスーツを着た男の人が数人、いかにもたるち…いや、至さん大好き!な女の人が数人がいた。会社の飲み会かな?
状況的に一次会が終わって今から二次会って感じかな?それをたるちがどうにか断ろうとしてる感じか。
しょうがない、ゲーム仲間を助けますか。
「至!」
困ってるたるちに声をかければ一気に集まる視線。一瞬目を見開いたたるちだけど、すぐ笑みを貼り付けて私の腰に手を回した。え、手回す必要ある?
「#名前#。仕事帰り?」
「ええ。帰ろうとしたら、至が見えたから」
「なんだよ、茅ヶ崎。お前、彼女いたのか」
「しかもこんな美人さん!羨ましいな〜俺もあと10歳若かったらなぁ」
貴方が10歳若くても付き合うつもりはありません。
「はは、黙っていてすみません。彼女の#名前#です」
「初めまして。いつも至がお世話になっております。湊 #名前#です。」
「いやあ、茅ヶ崎くんにはいつも助けてもらってるよ。なあ、宮内」
「そうですね。茅ヶ崎、今日はもう帰りな。ちゃんと彼女送ってってやるんだぞ」
「ありがとうございます。もちろんです。では、お先に失礼します」
「失礼します」
軽く会釈して、たるちに腰に手を回されたまま歩いた。
しばらく歩いた後、隣からはぁとため息が聞こえた。
「#名前#ありがと。マジ助かった」
「どういたしましてー。たまたま私が通りかかってよかったね?ブラウォーの限定クエまでに帰りたかったんでしょ?」
「ホントそれ。そうそう、どう断るか迷ってたところだったから#名前#が声かけてくれてよかったわ」
「お役に立ててよかったわ。でも大丈夫?彼女なんて嘘ついて。女の人達、ショック受けてたよ」
「あー、大丈夫大丈夫。むしろこれで話しかけてこなければいいんだけど」
「同じ会社にいる以上無理でしょw」
「それなw まあ、どうにかしとく」
「ガンバ!てか、このまま家泊まる?なんだかんだ私んちに歩いてるし」
たるちも私も同じ都内住みだけどまるっきり逆方向だから今更帰るのもね。
「ん。明日休みだしそうしようかな。#名前#は明日仕事ないの?」
「うん、休みだから大丈夫。じゃあ、コンビニ寄ってから帰ろ」
「おけ」
コンビニ寄っても22時には間に合うから問題ないでしょ。
それから家着いて2人で限定クエスト周回した。
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