薔薇色の世界


そろそろ深夜に差し掛かろうかという時間のHONKY-TONK。
「あとは私がやっておきますから」
「そうか、じゃあ片付けは頼むな。今日はちょっと急ぎの用があるから、お先に失礼」
じゃあ後よろしく、と波児はモリにHONKY-TONKの店じまいを任せ、そそくさと用事の方へと行ってしまった。
夏実やレナもすでに居住スペースに引き上げ、あとはモリを含め三人だけだ。
「というわけで蛮さん銀次さん、今日はもうおしまいです」
カウンターに未だ居座り続けるGetBackersの二人にモリはウエイトレスとして声をかける。
流石に店じまいじゃ仕方ないかと、蛮は重そうに腰を上げた。
「しゃーねーな。おい、行くぞ銀次」
「あっ待って……ちょっとトイレ借りて良い?」
苦笑する銀次に、モリは肩をすくめながらも接客スマイルでどうぞご自由に、と店の奥にあるトイレを指差した。
「早くしろよ!…ったく、モリ、ブルマンもういっ」
「ダメです。これ以上ツケを加速させるわけにはいきません」
もう一杯、と言い終わるか終わらない内に、モリの断固とした否が示される。律儀できっちりしているわりに、胸の前で大きく両腕で×を作る姿が可愛らしい。
「…襲うぞ」
「なんでですか!そもそも私、コーヒー煎れられませんよ」
理不尽な脅しにも屈さず、しかしモリは顔を真っ赤に染めてちょっと怒ったように蛮に背を向けた………のがいけなかった。
「ちょっ蛮さん、ひぁっどこ触って……くぅンッ」
「襲うぞって言ったからな。あと、可愛いことするモリが悪い」
背後から体をまさぐる蛮のこれまた理不尽な責任転嫁と絶妙な手技に、モリの頭はくらくらと回り始める。
…流石乳揉みスペシャリスト。

「ごめんおまた、せ…?」
銀次がトイレから帰ってくると、実に刺激的な光景が待っていた。
「いやぁぁっ…や、やめ、てくださっあん!」
蛮が乳を揉んでいる。
いつもならヘヴンや卑弥呼だが、今日そのスネークバイトの毒牙にかけられているのはモリだ。
それもいつものとは違う。明らかにモリに快楽を与えようとする手付きだった。
後ろから抱きすくめるようにモリの豊かな胸を掴み、感触を楽しみつつもエプロン越しに固くなりつつある頂きを探し当てることも忘れていない。
「ば、蛮ちゃん何して…」
「あ?ナニしようとしてるに決まってんだろ…見て分かんねーのか」
状況が飲み込めず固まる銀次をよそに、蛮は手を進めていく。
服の裾から手を忍び込ませるとブラのホックを外し直に揉みしだき始めた。
「ひうっやめ……あ、だめぇっ、きゃうッ!!」
小柄なモリの体に後ろから覆い被さる蛮の手がいやらしくモリの乳房に這い回る姿は、誰の目にも扇情的に映っただろう。
もちろん、銀次の目にも。
「た、助けっはぁ…銀次さぁん!」
潤む瞳。紅潮した頬。名前を呼ぶ声は艶めいている。
「銀次、お前もモリが好きなんだろ」
本能か。
「はうぅぅ!…んやあっ助け、て銀次さ……」
理性か。
「モリ、こっち向け」
「ん、ううぅぅ…っ」
荒々しく唇を奪われるモリに、銀次の心は固まった。
「俺、君が蛮ちゃんのものになるの…黙って見てるわけにいかないから」
ごめんね、モリちゃん。
銀次は先ほどまで蛮に貪られていた唇を奪うと、柔らかなキスの感触を楽しんだ。
息を継ごうと開かれた唇の隙間に舌をねじこみ、戸惑うモリの舌に絡みつかせる。そのまま吸い上げて甘噛みしてやれば、モリの膝はガクガクと震えた。
「んぅ………はぁ…は、ぁ………二人とも、ど…して?」
ようやく解放された唇から出た言葉は、蛮と銀次への疑問。
息も絶え絶えに呟くと、二人は同時に答えた。
「モリが好きなんだよ」
「モリちゃんが、好きなんだ」
「そ、んな……」
「俺か、銀次か、今ここで選べねぇなら」
「たとえ強引でも君を俺のものにする」
二人の目に、もう迷いはなかった。


気付けばモリの服は二人に剥ぎとられてエプロンだけを残した…いわゆる裸エプロンの状態にされていた。
エプロン越しにも蛮の手によって固く勃ちあがった突起が姿を主張している。エプロンの布地に擦れるだけでも淡い快感をモリは感じていた。
首筋を蛮の唇が滑らされるのと同時に、エプロンの脇から忍び込んだ指先が桜色に色付いた乳首を摘みあげる。
「ひぃあっ!あっやだっやあぁっ」
「やだって言うわりにはここ、ビンビンになってるけどなぁ?」
「違っ…違うもん!そんなことなああぁぁんっ!?」
モリの抗議は途中から銀次の手によって矯声に変わった。
モリの秘口には二本の指が突き立てられている。
ひらひらと揺れるスカートの裾を左手に持ちつつ、銀次の右手はずっぷりとモリの秘裂にねじこまれていた。
「モリちゃん…きっついね。でも、すごく濡れてるよ」
この中に自身を納めた時のことを考えると、銀次はたまらない。できるならば今すぐにでも突っ込んでしまいたいが、モリの予想外の反応がその思いを踏みとどまらせた。
「うぁあっ…い、痛いっ痛いよぉっ!銀次さん抜いてぇっ」
ぽろぽろと泣き出したモリに、銀次だけでなく蛮も慌てた。
「まさか、お前…処女!?」
「私、を何才だと、思ってる、んですか……高校、生ですよ」
ひっくひっくと息を継ぎながら答えたモリに、蛮も銀次も罰の悪そうな顔を見合わせる。
「…モリ安心しろ」
処女だとわかったらこんな無理矢理なことやめてくれるはずだ、と思ったモリの期待は、あっさりと裏切られた。
「お前の処女は俺がもらってやる。大丈夫だ、絶対よくなるようにしてやるよ」
「なっ、ずるい!俺だってモリちゃんの処女が欲しい!!」
好きな女の処女を巡って争い始めた二人に、モリは溜め息を吐いてその場にへたりこむ。エプロンを握り締めていた手の平が、行き場をなくしたように太股の上で拳を作っていた。
足はガクガクするし頭はぼーっとするし…そんな気持ちで二人を見上げれば、どうやら勝負が着いたみたいだ。


「痛いか?」
「ん…平気、です」
蛮の長い指が根本まで埋まるとモリはきゅ、と眉根を寄せた。痛くはなくても初めての異物感に戸惑っているのだろう。
激しい争いの結果、やはりGetBackersらしく蛮が銀次を強引な理論で説き伏せてしまった。
チェリーに巧くリード出来んのかよ。の一言に銀次がタレたといってもいい。代わりにモリの付けていたエプロンは、銀次の手元に渡ることになっている。今も既にモリはエプロンを取り払われ、一糸纏わぬ姿にされていた。
「あっ痛、い…」
蛮の指が三本に増やされた途端、モリが苦しそうな声を漏らす。
「ちょっと我慢な…おい銀次、ボーっとしてねぇでモリの上も可愛がってやれよ」
モリを後ろから抱きとめていた銀次は、慌てたように我に返った。
「蛮ちゃんに言われなくてもっ」
「なっあ…だ、めぇ」
桜色に勃ちあがった乳頭をコリコリと指先で挟んで擦り合わせると、モリの口から甘い声が溢れだす。
「モリちゃん、乳首感じるんだ……」
「んやっ、ち…違うぅっ!あ、あっ銀次さんやだっやだぁっ」
いつもと違う銀次の低く艶めいた声のトーンが、銀次がモリにたまらなく欲情していることを物語った。
「やだじゃないでしょ。こんなにビンビンなのにさ」
「ん、や、乳首引っ張っちゃ、だめぇえっ」
銀次の容赦ない攻めに、蛮の指を飲み込んでいるモリの蜜壺は本人の知らない内に痕きはじめる。

そろそろいいか…と蛮が自身を取り出すと、モリは小さく悲鳴をあげた。
「ひっ……そんな…大きな、の…入りませんよぉっ」
「処女のくせしてこんなに濡らしときながら、何言ってやがる。てめぇならすぐに気持ち良くなれるぜ」
確かに蛮の肉棒は、通常からいって尋常じゃないサイズだ。蛮は愛しいモリの痴態に興奮して勃ち上がった肉棒を、数回手で扱くと、銀次にもたれかかるモリの入り口に当てがった。
「待って蛮さ…………あぁあひぃっ痛、痛いっ!やだあっ、抜いて!痛いよぉッ」
「は、あ…キッツい。モリ、ちょっと我慢してろ………」
「んうぁ、あ、ああぁあぁぁぁーッ!?」
ぐりっ。肉棒を奥まで突き立てるとモリはその痛みに泣きながら悲鳴をあげた。
律動を繰り返す蛮の肉棒の幹を伝い、さらにはモリの太股に伝うのは処女の証である鮮血。
「あ、くっ…処女もらった分は、きちんと責任とってやるよ……………モリ、愛してる」
「そん、なあぁっあ、あっ蛮さん、何か…から、だが…変になるっ」
蛮の甘い言葉に、モリは痛みが恐ろしい程の快楽に変わろうとしているのを感じた。
彼にもそれがわかったのだろう。腰の動きがはっきりと攻め立てるものになりだしていた。
蛮が腰を動かす度、繋がった部分からぐちゃぐちゃと耳を塞ぎたくなるような水音がする。
水音に惹かれるようにして蛮とモリの結合部に顔を近付けた銀次は、熱に浮かされた表情で感想を洩らした。
「すごいモリちゃん…初めてなのにこんなにいやらしい音がしてる」
「あっあッ…やぁあ!言わなっ、でぇ」
次第にとろけそうになる快感の中で、モリは流されまいとするように意識を保とうとしていた。
銀次の素直な言葉にも、必死で首を振る。
「蛮ちゃん、俺もう我慢できない……」
モリの痴態に銀次の股間は熱く張りつめていた。これ以上は我慢できそうにない。できるなら早く蛮に達して欲しい。
だが、蛮の答えは銀次の想像にないものだった。
「あぁ?…んだよ銀次、なら後ろが空いてるじゃねぇか」
「後ろ?………ってええェー!?まさかお尻のっ?」
「なんだ不満か?そっちもある意味処女だぞ」
お尻……そんな可哀想だよ。いやでも、モリちゃんの処女…。でも絶対モリちゃんは嫌だと思うし、だけど処女は……………。
銀次は迷った。迷って迷って迷った。
「じゃあ俺がモリのアナルバージンもいただきだな」
「それはダメ!」
蛮の言葉を聞いた銀次の決断は早かった。
「あんッひあぁっあっ!……きゃあぁッ!?」
モリは悲鳴をあげた。
甘さを含んだ矯声でも快楽からくる悲鳴でもなく、本物の悲鳴だ。
銀次の人差し指の第一関節までが、モリの後孔に埋め込まれていた。

散々あがいたものの、抵抗空しくモリは後孔に銀次を受け入れるための準備をされようとしていた。
今は蛮を下に騎乗位の格好で、耐えきれなくなったモリがその胸に倒れこんでいる。刺さったままの巨きな肉棒に眉根を寄せる官能的な表情が、更に苦しげになった。
銀次の指がモリの後孔を探し当てる。慎ましやかで綺麗なピンク色をしたアナルに、銀次の期待は高まった。
ぐぷぐぷと指先から埋め込まれていく感覚が、たまらない。
「ひぅっ…ひどい、よ……お、お尻なんて………銀次さんの、ばかぁ…」
「うん、ごめんね。でも………モリちゃんのココ、喜んでるみたいだよ?」
「そん、なわけ……あひいぃッ」
ぬぷぷぷぷっ
収まっていた銀次の指が、一気に引き抜かれた。排泄時にも似た背徳的な快楽が走る。
それを見た銀次は迷うことなく両手でモリの尻たぶを横に引っ張り、モリの尻に顔を埋めた。穴の周りを丁寧に舐め回すと、穴の中へ舌を挿し込む。
「いひぃっ…やだ!やめて、銀次さんそんなとこ汚、い…はぁあんっ!!イヤぁあ…」
「ほら、モリちゃんのお尻の穴、柔らかくなってきたよ」
柔らかな白い尻たぶを揉みしだくと、後孔がきゅっと締まる。銀次には面白いのか何度も何度も繰り返された。モリにしてみればこの上ない辱しめだ。
「お願いやめてっ!銀次さん、許して…許してよぉ……」
「モリ、嘘つくなよ。アナル舐められて気持ち良いんだろ。前がすげぇ締まってんぞ」
「違ぁっ!?そんなことない、銀次さんやめてえぇっ!」
「ダメだよモリちゃん、慣らさなきゃ。お尻の穴ヒクヒクしてて、すっごく…可愛いよ」
ちゅぷ、れろ……ちゅっぷ…ん。
しばらくそうしていた銀次は少女の華奢な腰を掴むと、もう我慢ならないとその尻に自身を宛てがった。
硬く猛った肉棒が白くまろびやかな尻の中に収まるのかと思うと、より昂るのがわかる。
「ま、待って、銀次さん嫌あぁっ」
モリの悲鳴を無視して銀次は腰を進めた。
メリ、メリメリ…
小さな穴を無理矢理押し広げるように肉棒がモリにめり込んでいく。
「いぎっ、ひぎぃぃっいやぁ!…あ、あッああああああーッ!?」
身を裂かれるような激痛にモリは泣き叫ぶ。
「モリ、俺の腕でもなんでも、爪立ててろ」
「ゴメン、モリちゃん……でも、すごく…良いよ」
「あ…あ……お尻が、壊れちゃうぅ……」
前には蛮、後ろには銀次を受け入れているモリの負担を考えてか、蛮も銀次も動かなかった。
そうでなくても動けなかったのだ、実際。
ついさっきまでは処女だったモリの中はそうでなくても狭くてキツいのに、後孔にも逞しい肉棒をねじこまれた分、蛮や銀次、彼らの想像した以上に具合が良かった。このままでは三擦り半の世界も有り得る。
「ねぇ、蛮ちゃん。動いちゃ、だめ?」
「それはモリに聞け。つっても、ギチギチで動けそうにねぇけどな」
「苦しっ…はひっ…ぬ、抜いてくださ…んんぅっ」
キス。少しでも意識を反らそうと、蛮はモリの唇を食むと、甘く優しいキスをした。
絡めた舌を吸い出して甘噛みして…意識がとろけるようなキスで、モリの強張っていた体から力が抜ける。
それを合図に、彼らはモリの体を蹂躙にかかった。
ずちゅっ、ずぱんっ!
すぶぶ、ぬぶんっ!
「いやあァっらめぇッ!あ、頭がおかしくなっちゃうっ!?」
激しい男たちの攻めに、モリは成す術もなくあえぐ。
確かに有ったはずの痛みも今や快感に為り変わり、前後の穴からもたらされる快楽に思考を焼ききられそうだ。
「モリ、どっちが気持ち良いんだ?もちろん俺様だよな」
「何言ってんの、俺の方に決まってるよ!そうだよねモリちゃん」
互いに腰を振りながら競うようにモリを攻め立てる。
すでに理性を失ったモリの口から溢れるのは、素直で、淫らな言葉。
「はあ、あんッ…二人とも、いいよぉっ!おまんこもお尻もきもちぃのぉぉっ!!」
息を飲む蛮と銀次。
「…くっそ、エロすぎだろ」
「うぁっ…今のは、かなりキた」
「ッ!?ひゃああんっおっきくしないれぇっ!」
モリの痴態に、彼らはこれ以上ないほど自身を張りつめさせた。
限界の近い銀次は容赦なくモリのアナルを犯しはじめる。
ぐぶぶぶっぬぶッ!ずぷぷぷぷぷっ!!
「はげし、よぉ……はうぅ、お尻ぃ、お尻が気持ちいぃのぉっ!!…も、だめぇえッ!」
「モリちゃんっ、モリちゃんっ…あ、くっ出る、出すよ、モリっ!」
銀次が低く名前を呼んで達すると同時、モリもまた快楽を極めた。
「んっモリ、大好きだ。だから、俺の全部を受け止めて欲しい…」
「あっ!?うああぁあッ…お、お尻があついよぉぉっ」
びゅうびゅうと弾けるようにほとばしる精液をモリの中に出しきると、満足したとばかりにモリの後孔から肉棒を引き抜いた。後孔から逆流する白濁が、その量の多さを窺わせる。
呂列もろくに回らなるまで激しく快楽を与えられ、ぐったりと力の抜けたモリの体。
モリも銀次ももう十分なわけだが、ここに一人、何も満足していない男がいた。
「モリ、おまんこの方でも気持ち良くなりたいよな?」
「えっやらぁ…待っ」
モリの体を勢いよく反転させ、正常位で律動をはじめる蛮。
「んやぁッ蛮さんっ…深いぃ、ふかいよぉぉ…!」
「そんなに俺のがイイかよ。食い千切られそうだぜ?」
一段とキツくなった結合部の締まりに、蛮は顔をしかめる。長くモリの中にいたが、そろそろ射精の欲求が抑えられないところまで来ていた。
ぐちゅんッずちゅっすぶぶぶっ!
水音につられるように、モリの口からも矯声が漏れる。
「いやぁああッもうだめぇっ!蛮さんっ蛮さんっ、蛮さぁんッ!!…ンっ」
蛮の首に腕を回してしがみついて彼の名前を呼ぶと、深くて甘いキスが降ってきた。蛮がどれほどモリを愛しく思っているか、見ているだけでもわかるような情熱的なキス。
ようやく離れた唇同士から引いた銀糸が切れた時、二人の理性の糸も断ち切れる。
子宮口をこじあけるように肉棒が奥深くまでめり込んだ。
「ふぁぁ…らめぇぇ、もうダメなのぉっ…あっ、ひあぁあぁぁぁあんッ!」
「うっ…モリッ、モリッ!!」
びゅるるる…と最後の一滴まで精子を中に流し込んでもそのまま肉棒を抜くことはしなかった。膣に栓をした形だ。
それを見て怒ったのは銀次。
「ちょっと蛮ちゃん!中で全部出して…赤ちゃんできたらどうするのさ!」
そう言う銀次に不敵な笑みを浮かべた蛮は、モリを抱きしめながら言った。
「そりゃあ…めでたくガキごとモリは俺のモンだな」
「なっ!?…蛮ちゃんの子供なんて、ロクな大人にならないでしょ!モリが可哀想!!」
銀次の言葉に蛮は青筋を浮かべる。
「…ンだと銀次!テメェの子供だってどうせ残念な感じだろうよ!!」
「言わせておけば………もういい、蛮ちゃん退いて。モリは俺が孕ませる!」
蛮の暴言に、半雷帝化する銀次。
はっきり言ってこんな不穏な空気に巻き込まれたモリは極限まで被害者だった。
バチバチと火花を飛ばす二人は、情事中そうだったようにモリへと詰め寄る。
「「モリはどっちの子が産みたい!?」」
「わ…たし、そんなこと、言われても…」
当然の答え。だが“恋は盲目”とはよく言ったもので、今の彼らに冷静な判断ができるはずもなかった。
「仕方ねぇ……モリが決められないなら、モリの体に訊くしかねぇか」
何も仕方なくはない。
「そうだね。モリの子供のお父さんだった方が、モリの運命の人だったということで」
半雷帝でも思考は銀次。
「ヤダッ、待って二人とも!あんッ…だ、めぇっ銀次さん!もう無理ぃ…」
蛮からモリを奪いとった銀次は、容赦なくずぶりと肉棒を突き立てる。
モリを自分の子種で孕ませるべく、深く腰を振り出す銀次。
そしてそのあとには蛮が再び控えている…。

数時間後、モリが精液でお腹いっぱいになるまで、その情事は続けられた。
「はぁ、はぁ…ん…せーしで、お腹苦しいよぉ…溢れちゃうぅッ」
「バイブ突っ込んで蓋するか?やっぱ念には念入れとかねぇとな」
「うわー、蛮ちゃん鬼畜。…………ところでMAKUBEXに聞いたんだけどね」
一回の性交で複数の精子を受精することがあるらしくて、双子のお父さんが別々〜とかってあるらしいよ?

もしかしたら将来、二人のお父さんが奥さんを取り合う変わった家庭が誕生する、かもしれない…。



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