「おお、ケツ穴にローション仕込んであるぜ。これやったの有栖川だろ?」

 アヌスへ太いものが、何の脈絡もなしにずぶりと挿ってきた。この骨ばった感触は、指だ。それも一本ではない。一気に三本程を突き立てられたのだろう。

 あぐぅ、と唸ったつもりの声は、音にならず鼻から飛び出す。目の前の男に後頭部を掴まれた。そのまま容赦なく顔面に腰を打ち付けてくる。パン、パン、と、無数の星が。再び生まれ、散らばって、落ちる。

 生理的に出る涙なのか、悔しさからくるものか、それとも快楽からくるものだろうか。ぼたぼたと目から零れ落ちるそれを拭ってくれる人はいない。

「まぁな。お前ら、わざわざ解すの面倒がるだろ」

「やっさしいことで」

「ばーか。違げぇよ。お前らいつも、スキン使わんし。切れたケツにちんぽ突っ込み続けてみろ。そのうち性病にかかるぞ」

 口の中のペニスが膨らみを増した。がんがん喉の奥にそれを突き立てられ、顎裏をごりごり亀頭が擦ってきて、頭の中で快楽が弾ける。気持ちいい、苦しい、息ができない、苦しい、気持ちいい、ああ、ああ、熱い。咥えているペニスから強烈な熱を感じる。凄い。カリ首へ舌をねちゃねちゃと這わせれば、後頭部を更に強い力で掴まれた。

「っ、イクっ、おらぁ、全部飲めよ!」

 ペニスのビクン、と跳ねる感覚を口の中で受けた。男の陰毛が鼻先をくすぐる。

「うぶぶぶぶっぶぶっ」

 不気味な音が鼻から抜けた。喉の奥へ大量の精液が、どくんどくんと勢いよくぶちまけられる。普段ならば眉を顰めたくなるその生臭さが今は、凄まじい快感を齎してきた。

 ねばつく精液を飲み込むたびに口膣は締まる。絞り取るように啜れば、ペニスはずるりと口の中から抜けていった。

 混ざった唾液と精液が、唇の端から滴り落ちる。床に溜まったそれを、目の前の男は足先で示した。

「全部、飲めって、聞こえただろ?」

 強い口調で言われ、唇が震える。床を舐めさせられるのはこれが初めてだ。奥歯をぐっと噛んだ。こんな屈辱を許せるものか――いや、そうだろうか。本当に屈辱だと思っているのか。だって、僕は興奮している。己のペニスの勃起を感じている。


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