全身に暴れ狂っていた熱が下半身へと集まってきた。歯はカタカタと鳴る。

「い、いや。嫌だ。怖い、怖いっあああっ!!」

 腰をズンっ、と打ち付けられ、目の前にチカチカと火花が瞬く。たまらない。もう、留められない。エクスタシーの嵐を否応なく巻きこされ、頭の芯が痺れた。

 気が遠くなりそうな射精の快楽。勝手にびくびく跳ねる身体。それでもアヌスを?き回してくる動きは止まない。

「あっ、ぃっ、イッ、イッてるっ、ああっ、駄目っ、あっ、ひぃぃっ!!」

 きゅうっ、とアヌスを締め付ければ、ピストンは止んだ。ペニスの脈打ちを中に感じる。

「糞、いきなり締めるから出ちまった」

「っはははっ、ダセェ。早漏かよ!」

「煩せぇ。まだ硬いからな。お前はさっさと煙草でもしゃぶらせとけ」

 ペニスがずるりと抜かれ、再び、ずぶずぶと埋め込まれる。我武者羅に腰を打ち付けられて、目の前には煙草の火が揺れており、煙が目にしみる。

「ほぉら。秋人ちゃぁん。これ、鎮火させな。飲み込むなよぉ?」

 唇に近づけられる煙草の火に、もう抵抗なんてできない。口を大きく開き舌を差し出せば、そこに強い苦味を感じた。じゅうう、と、身の毛のよだつ音が聞こえてくる。舌の抉れるような痛みを覚え、意識が遠のく。思考が白んでゆく。

 最後に見たのは智泰の、おぞましい程に綺麗な笑みだった。

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