銀風の輪廻

真っ暗で冷たい、さびしい世界の廻間。


今の私の傍に銀狼はいない。

銀狼はあの頃のルキとしか魂の契約をしていない。

時間など無い、この廻間で...私の銀狼はもういない。

運命の変え方を求め、強くなりすぎた私が彼を壊してしまったから...

今の私こそが、この廻間の神のような悪魔のような存在になった。


「こんな私が泣いたとて、誰も傍にはいてくれない。」





漆黒の暗闇。あの懐かしい世界の廻間のどれくらい上の世界だっただろうか。
宙に浮く、スカイブルーの髪を靡かせる1人の美しい女性がいる。だが良く見れば無表情で瞳には色が無く虚ろで、目尻は赤く、血が滲み出て頬を涙のように伝い落ちている。


「運命を変える、神々をも越える絶対的な能力は何処に...?」


彼女は化物に成ろうとも、今もずっと永遠に運命の変え方を探し...何を選び取れば正解だったのかと自分に問い続け、もう自分が何をするために此所にいるのか解らない。
誰もいない、世界の廻間で...赤いあかいアカイ血の涙を流し続けている。

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