ここは、無限に存在する世界と世界の廻間。
暗闇の中、銀狼がオオカミの姿でルキを守るように付き添っている。
「限界か?ルキ...」
銀狼の声に反応を示すことは無く、ルキの黒い瞳は何もとらえていない。
「.....」
銀狼は、ガルルと吠えて哀しそうな瞳をルキに向ける。
「まだ、大丈夫...」
ルキの黒い瞳に意志が再び灯る。
「クッ...その瞳だ...」
銀狼は、ギラっと牙を見せて笑った。
ルキは立ち上がり、廻間に亀裂を入れると銀狼を振り返らずに“世界”へと侵入して行った。
(私はまだ...世界をかえる方法を知らない・・・)
「まだ楽しめそうだ、青龍...」
ルキが亀裂を入れた廻間を見つめながら、銀狼は言った。
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