心〜もう一度〜

世界の廻間。
銀狼はとある世界にいるルキを見つめていた。


「クッ...転生するのか」


銀狼が笑っていると、その世界に亀裂を入れてルキが廻間に戻って来た。


「銀狼!久しぶりに世界に転生する!!」


すごく嬉しそうな顔をしたルキは銀狼に抱き付いた。


「離せ」


そう言う銀狼だが、嫌がるということはしない。
もう慣れである。


「世界に拒絶されても、あの世界で関わる人間は私を“仲間”って言ってくれるの...」


ルキが能力を発動させると銀色の風が舞い上がった。


「またお前の本体からだのお守りか…」


銀狼が、めんどくさそうにぼやくと...ルキのたましいが身体から銀色の風に護られながら、その世界へと侵入していった。


「(いってきます...)」


声がきこえなくなると、ルキの身体が崩れ落ちる。
銀狼が自身の銀色の風で受け止め、守るように自分の銀色の毛並みに隠した。


「ルキ...」

[ 9/21 ]
[*prev] [next#]
[戻る]