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強固な結界に護られた森の中。
メルヘンチックな小さな家、ルキリアが眠る美しい棺…お茶会が出来るメルヘンな椅子とテーブル。

「久しぶりだな、2人とも…ルキリアは相変わらずだ」

そう言って彼、李空は客であるリオンとユウガを椅子に座れと言いながら、紅茶と可愛らしいお菓子を出した。

「ありがとうございます李空さん」

ニコッと微笑んで礼を言って椅子にかけたリオン。
ユウガも李空に対して腰が低い。

「こんなとこに来る物好きはお前らと…あいつくらいだ」

李空が森の方を見ると歩いてこちらに向かってくる緋友の姿があった。

「ちっ…前女王・・・」

リオンの姿を見ると緋友は嫌そうに呟いた。
ユウガはリオンの前に出て緋友を睨み付けた。

「お前何者だ?ナイトの任を断っておいて…何故この場所を知っている?」

「質問に答える義務はないよ」

ユウガを睨みつけながら右手に黒の魔力を構えている緋友。戦う気でいる。

「殺るのか?マジャンごときが!」

見事に戦闘好きが表情に出ているユウガ。戦闘の構えを取った。

「ユウガやめ……」

リオンがユウガを止めようとするのを李空が片手で制した。

「ここでの戦闘はすべて…おれの管轄だ」

「ですが…」

反論しようとしたリオンだが、李空の瞳の中の真意を感じ取った。

「心配すんな…問題が起こる前には止めてやる」

ルキリアもお前も争いは望まねぇからな…と少し照れながら言った李空。

















ダーク・ジェイル、女王の間。
上座に位置する孤高の玉座に座っているのは女王のルキアだ。
無表情で壊れた笑みが絶えない。

「…世界の悲鳴……止むことのない..怒り・悲しみ……もっと、コワレレバイイ……」

瞳孔の開いた瞳。世界が壊れろと叫ぶルキアとは裏腹に、涙が頬を絶え間なく伝う。
























歴代の女王

星の意思によって選ばれた者たちは



平和を願おうと

星を破壊しても

死を選んでも……



心を蝕まれる前までは…

争いを嫌い

戦いを嫌い


誰かしらの笑顔を求めたとナイトに語り継がれている



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