いつも君を探してる

先代の“破壊の女王”が星の意思に心を蝕まれながら亡くなった。

それでもこの星は幾度も女王を求める...

そして、その連鎖はナイト達をも容赦なく縛り付けている。






ダーク・ジェイルの執務室に3人のナイトの姿があった。この星の地図が投影された黒いゴシックのデザインの長テーブルに両手をつき、難しそうな顔をしているのはライキだ。その向かいには秋斗が腕を組んで眉間にシワを寄せている。

「星の東側は大方探したつもりだが、秋斗の方はどうだ?」

「ヴァンパイアの一族が統治する地域を重点的に探してみましたが、女王らしき方は見当たりませんでした」

2人が現女王探しに頭を悩ませている中でもう1人のナイトである緋友はやる気の無いように、本来は女王が座る椅子にダルそうに座り、足を女王の使う机の上に上げている状態である。
前女王のナイトとして出会った頃からの緋友にライキは慣れ、子供の頃から緋友を知る秋斗はその態度などを完全にスルーしている。

「緋友、お前もちゃんと女王を探してるのか?」

「頼んでいたライトシャイン学院と霊魔術学院内はどうでしたか?」

2人に聞かれ、緋友は態度をそのままに顔だけを彼らに向けて嫌そうに答えた。

「オレもナイトとしての仕事はしてるから。それにこっちも女王は見かけてない」

緋友の言葉にライキは肩を落とし、秋斗も捜索の範囲を広げると深いため息をついた。
そんな彼らを横目に、緋友は少し考え込んでいる。

(ルキリアの話じゃ、また“ルキア”が女王になるって言ってた…本当に意味が分からないことだらけだ)

緋友がそんなことを考えているとライキは星の西側を探してくると言って足早に執務室を出て行った。
また少ししてから秋斗も女王を探しに行ってきますと緋友に言うと執務室を出た。残された緋友は視線だけで秋斗を見送ると、またいろいろと考えを巡らせていた。


星の意思も、ナイトも、
この星の女王を探している。

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