今夜、ヤケ酒をする。
私は揺るぎない意思でそう誓った。

大学も長期休暇で無いし、アルバイト先での人間関係も順調。特別何か嫌なことがあったわけじゃない。けれど針の先端のように小さなストレスや鬱憤が、無数に身体を刺している気がするのだ。細い針による外傷は見た目では分からない。それでも着実に内側に溜まっていく心労は層のように積み重なり、悲鳴を上げている。こういった類のものは趣味や散歩で気を紛らわすのが健康的には良いのだろうけど、私は遠回りは嫌いな直通ショートカット派である。荒療治だと分かっていても、手っ取り早くアルコールでその傷を癒したい。そう、つまるところ酒を飲んで意識をぶっ飛ばして全部忘れたかった。


「んいぇ〜い!ほら、次行こぉ次!」
「え……私達もうちょっとで終電だよ?」
「終電?なにそれ、私分かんないなあ!」
「後30分!終電!」
「んもう、いいよぉ……一人で飲む……」
「名前ちゃん一人じゃ危ないよ。帰ろ?」
「だいじょーぶ!タクシーで帰るから!」
「……ほんとに大丈夫?相当酔ってるでしょ?」
「酔ってない酔ってない!だいじょぶ!じゃあね!」
「……う、うん……じゃあね?また連絡するね」


心労をアルコールで癒そう(ぶっ飛ばそう)の会は呆気なくそこで終了の鐘を鳴らした。

明日も仕事だという友達を無理矢理連れ出したのだから仕方ないとは分かっていても、寒さと寂寥感でプルプルと震えてしまう。ヒラヒラと手を振ってお見送りをすると、お友達はやけに心配そうな顔で何度も振り返った。私のことがとんでもなく心配、というか信用ならんらしい。友達談によると、私は酔うと非常に凶暴化するので危険物取扱者が必要なようだ。いや、私はゾンビか。

5分ほどその行為を繰り返し、やがて「ほんとに気をつけてね?」と地下へと続く階段へ歩んでゆく。小さくなっていく背中を見つめ、とうとうその姿が見えなくると、途端にポツンと道の真ん中に取り残されている気がした。寂しい。本当に一人になってしまった。ヤケ酒とはいえ、一人で飲むお酒は楽しくない。私はグスン、とその場で鼻を啜った。それでも今終電でお家に帰る気には到底なれず、肩に掛けた上着をギュッと抱き寄せる。何のために明日の予定を無くしていると思っているのだ、限界飲酒をして三途の川の少し手前まで行くためだ。三途の川を見た人間ともならば、ストレスもしっぽを巻いて逃げるだろうという算段である。寂しさよりもストレスを撲滅させる思いが勝った。

私は傀儡使いのようにフラフラとする足を巧みに扱いながら、街中を進んでいく。そして、あるひとつの建物が目に入った。店外に看板はなく、客寄せのための光も無い。しかし小さな窓の中からは灯りが漏れ、中には人がいることが分かった。それに微かにお酒の匂いがする。何を隠そう、酔っ払いの嗅覚は警察犬並なのである。
なんだかとても気になったので次のお店は君に決めたッ!と心の中でボールを投げ、重たい扉を押した。ギィ、と重みのある音を立てて開いた先は少し薄暗く、映画のギャングが集まりそうな雰囲気を醸し出している。ボールを投げたことでスッカリ仲間になった気でいる私は、迷いなくカウンターの席に座りバーテンダーさんに「いっちばんキツイやつ!!」と馴れ馴れしく注文した。薄暗いけど、なんだか落ち着くかもしれない!今日はここで最後にしよう!フフンと機嫌よくバーテンダーさんの返答を待つが、いくら待っても返事が来ない。不審に思って顔を上げれば、そこには頬に一筋汗を流し貼り付けた笑みを浮かべるバーテンダーさんがいた。どうやら何かに怯えているらしく「あの、お客様……」と声を震わせている。一体なんだと言うのだ。もしかして聞こえていなかったのかしら。

「一番アルコール度数高いやつ!お願いします!」

次は大きめの声で丁寧に言ってみる。しかしバーテンダーさんはそうじゃねえ!とでも言いたげの表情で、ゆっくりと視線を私の横に逸らしていく。何だ何だ私の注文だというのにどうして私から目を逸らすのだ!そして釣られるように私も体ごと横を向くと「……んえ?」気の抜けた声が出た。

何と私の隣には人が座っていたのだ。横並びのためか、距離は肩がギリギリ触れ合わない程度である。全く気づかなかったが、ロックグラスでお酒を嗜む男性は赤い眼を暗闇で光らせ、しっかりと私を射抜いていた。めちゃくちゃ見られていた。溶けて小さくなった氷がカランとグラスの内側に当たって、管楽器のような音色を響かせる。


「……おい、誰の許可を得て俺様の隣に座ってやがる」
「……おれさまのとなり?許可?」


私は分かりやすく首を傾げた。その表情にはきっとはてなマークが大きく浮かんでいることだろう。私は地雷案件を見るような目で彼を上から下まで一瞥した。おれさまって……え、なに、この人のこと……?完全に自分の事など棚に上げているので、心の中では言いたい放題である。
長く伸びた前髪から垣間見える焔のような瞳には苛立ちが込められ、私を睨め上げる。しかし当の私といえば、お酒が入っているため無敵状態だった。むしろ何でこの人こんなにプンプンしてるんだろうと素で思っていた。「俺様って誰?」と疑問を直球でぶつけると、バーテンダーの人がピシッと石像のように動きを止める。それどころ場の空気が氷漬けされたように冷ややかになり、俺様の彼も持っていたグラスを強く握り締めた。今にも割れてしまうのではないかという音がギシギシと聞こえてくる。

「ハッ、この街で俺様のこと知らねえだと」
「知らない!」

元気よく答えると、更にガラスに力が込められた。多分もう少しで割れると思う。怒りをぶちまけないようにと、必死に抑えるような低く震撼する声が耳の縁を撫でる。

「……じゃあよく覚えとけ」
碧棺左馬刻様だ。テメェがいるこのシマを仕切ってる。

グッと一層強い眼力を向けられ、その威圧感にさすがに肩が震えた。その様子を満足そうに鼻で笑い、ロックを煽る彼は確かに一般人では無さそうだ。
なので、私も自己紹介をすることにした。

「はじめまして左馬刻さん!私は名前って言います!」
「左馬刻様、だ。誰がテメェの名前言えつった」
「挨拶されたので挨拶し返しました!」
「……何言ってんだお前」

本気で何言ってるんだコイツ……と引くような目だった。しかしめげない。

「名乗られたから名乗り返すのが礼儀だと思って!」
「うぜえ」
「そ、そんなプンプンしなくてもいいじゃん……」

私は無敵だった。
それなりに辛辣な事を言われる度に絡みまくり、出ていけと言われる度に絡みまくり、ウゼェと言われる度にピーピー泣いた。曰く、左馬刻さんは猪が溺れているような声だと額を押さえ、曰く、バーテンダーさんはまるで鶏小屋に閉じ込められたようだと嘆いた。私は鳥小屋にいる溺れかけの猪だった。しかし何を言われても屈しない鋼の精神を持つ私は、それでも彼の横でお酒を共に飲んでいる。最終的には彼も私の屈強のメンタルを認め、諦めの境地に立ったようで、ウゼエと言いながらも隣で飲む許可をくれた。許可というか私が勝手にそう認識して居座っているだけだけど。

彼は初見の容姿や言動は一々棘がありキツいけれど、私の愚痴や話を意外にも最後まで聞いてくれる。頂ける言葉は酷く素っ気ないが、驚くことにキチンと会話は成り立っているのだ。本来の性格は意外と面倒見のいい兄貴肌なのかもしれない。更にその会話の中で分かったのは、今日この店は彼の貸切だったと言うことである。めちゃくちゃ申し訳無いことをしていた。反省している。けれど後に引き返すことなどできないので、私は合掌しながら彼に乾杯した。「なに勝手に乾杯してんだ気持ちわりぃ」至極冷静、ご最もな野次が隣から飛んでくる。しかし、酔いが回って己の世界が砂糖菓子のようにじわりじわりと溶け始めている私に、その言葉は届かない。もう一度左馬刻さんに向かって両手を合わせると、途端に目蓋は重石が乗ったように重くなり、身体は脱力した。仏の所業だと思った。そのままカウンターに上半身ごと突っ伏して睫毛を伏せる。

「……おい」
「…………………酔った」
「ハッ、勢いだけの雑魚じゃねえか」
「……うう……いえ、かえる」
「アン?」
「お、おうち……かえる……!」
「テメェ家どこだ」
「……の、かわ」
「アァ゛?」
「さんずの、かわ!」

酔いが五臓六腑と身体の隅々まで染み渡っていた。溺れかけの猪で鶏小屋に生きている私は、自身の家を三途の川だと信じて疑わない。三途の川に帰らなくては!突然そう思い立ち、勢いよく立ち上がる。フラフラと入口付近へと足を進め、年季の入ったドアノブを触れた時だ。

「……うぐっ!」

突然背後から伸びてきた腕が私の首元を包み込み、そのまま引き寄せた。一瞬ではあったが、隆々と筋肉のついた腕によって喉が潰され、酔いが回った酸欠の血液は回らず、呼吸が止まる。苦しさに目を見開くと同時、そのまま身体は反転し、背中に硬い衝撃が襲い空気だらけの声が漏れた。ほんの数秒のことだった。気が付けば鼻がくっつきそうな程の距離に左馬刻さんの顔があり、真横には彼の腕がそのまま背後の壁に触れている。恐ろしいほど端正な顔付きを間近で見て、思わず生唾を飲み込んだ。精巧でいて精悍な表情に埋め込まれた瞳は、ただ一点私のことを映し燃えたぎっている。壁と左馬刻さんの間に挟まれた私は、ドギマギと目の前の睛眸を見つめ返すことしかできず、その様子はまるで蛇に睨まれた蛙、鷹の前の雀であった。やばい。超怖い。膝がプルプルする。これでは猪でも鶏でも蛙でも雀でもない、産まれたばかりの子鹿であった。彼の吐き出す息と香水の匂いが鼻腔を擽り、頭がクラクラする。酔いが覚めたと思ったのに、また酔いが回ってしまいそうだ。

「テメェ……」
「……は、はい」
「俺のシマで死ぬのは許さねえ」
「……はい……はい?」
「死ぬなら俺の見えねえ場所で死ねや」
「し、死ぬ」
「つーか散々絡んできやがって……今お前に死なれたら胸糞悪ぃんだよ」
「死ぬ……」

その時、私の脳みそはかつてない速さで回転し始めた。擦り切れそうな知能指数が悲鳴を上げ燻り始めたが、手放した脳細胞と引き換えに私は現状を把握、理解する。私は非常に弱き下等生物であるため、危険察知能力に関しては飛び抜けて優れている自信がある。そう、私はこの状況を理解してしまった。

「あ、あのう……」
「ア゛?」
「わ、私……死にません」

汗が止まらない。ダラダラと滂沱の如く冷や汗を流す私はまるで滝に打たれる僧侶である。私を見る彼の顔を直視できない。その、ごめんなさい。さっきのは……、お陰様で少し酔いが覚めたので舌足らずの口調で説明を図る。今の私の思考回路と状況では長話をする余裕などなく、単語をぽつりぽつりと落とすだけのものだったので、説明にそう時間はかからない。「ハァ…………」深い深い、非常に大きな溜め息が首筋に当たり、ビクリと肩を上げた。左馬刻さんも多少なりとも酔いは回っているんだろう。吐き出された息は体温を持ったように熱く、紅霞を浮かべた瞳には薄い膜が潤いを張っている。コツンと額がぶつかると、高い鼻が私の肌を掠めた。色気を伴う印象深い香りが一層濃くなり、熱を含んだ息遣いがダイレクトに耳に当たる。私は堪らず視線を四方八方、宙を見る。落ち着け、落ち着けと煩悩を振り払うがため心の中で合掌した。そしてややこしい言動をしてごめんなさい、と心の底から謝った。いくらでも謝るから早く解放してほしい。こんな展開、脆いと有名な私の心臓が耐えられるわけがないのだ。現にバックンバックンと大太鼓のように全身に鳴り響いており、空気を振動させて左馬刻さんに届いてしまうのではないか……と微動だにできず直立している始末である。

「……おいテメェ」
「ひゃ、ひゃい!」
「……責任取れや」
「せ、責任……」

少し冷静になって漸く気付いたが、どう見ても彼を纏うオーラは堅気のものではなかった。そりゃそうだ、シマやら仕切るやらのワードを出す男が普通なわけ無い。そんな彼に責任という重苦しいキーワードを提示され、私は指でも詰めろと言われるのではないかとビビりまくっていたのだが、展開はまさかの方向に傾くこととなる。

「……へっ?」

左馬刻さんが私の肩に顔を預け、体重を乗せた。ま、まさかこのまま首を噛みちぎられるのでは……?と震えたが、少しの違和感に気が付く。なんだか本当に全体重を任せられている気がするのだ。非力な私が細身とは言え成人男性を支えきれる訳もなく、後ろの壁をズルズルと伝い、やがてお尻が床についた。
見事に倒れ込む左馬刻さんを抱き締める私、という謎の図が完成する。
そんな状態で聞こえるのはスースーと耳許で聞こえる呼吸音。……パニックである。私は助けを求めるようにバーテンダーさんを見たが、バーテンダーさんも血の気が引き、顔面蒼白だった。何故だ。そうしてあれよこれよと左馬刻さんの住所が書かれたメモを渡され、頼んだ!と言わんばかりの表情で私を無理矢理タクシーに押し込む。な、何だこれ。私が彼を送る流れ?どういう流れ?無常にもタクシー運転手は左馬刻さんの顔を見ると、バーテンダーと同じく顔を青くし、安全第一のスピード勝負で左馬刻さんの家前までぶっ飛ばした。簡単に辿り着いてしまったのは見るからに高そうな高層マンションである。

「……左馬刻さん、左馬刻さん」
「……」
「お家つきましたよ、左馬刻さん」

反応がない。正直今日初めて出会った人の住所を見るのも家まで届けるのも、とても罪悪感があった。彼だって私に家を知られるのは本意ではないだろう。なので正直マンションの下でお別れするのが理想だったのだけど、この様子を見ると一人で帰れそうにないのは私でも想像出来る。かと言って放置する勇気も持ち合わせていないため、私は泣きそうになりながら、メモに書かれた部屋まで送り届けることにした。重たい左馬刻さんを肩で支えて運ぶのはとんでもない重労働である。たまに何度か物理的に潰されそうになりながら、なんとか部屋の前までやってきた。

ごめんなさい、と一言添えて彼のポケットに手を突っ込み弄り回す。いけないことはしてませんゆえ!と誰にでもなく強く宣言し、そしてお目当てのキーリングを発見した。恐らくこれだろうなという鍵を鍵穴に差し込んで回して戸を開くと、黒を基調とする広々とした部屋が視界に広がる。こんな広い部屋に一人で住んでいるのだろうか、まるでホテルのスイートルームのような絢爛さだと見惚れながら、左馬刻さんを玄関先に腰掛けさせた。そして私も「ハァァァ……」とその場にヘナヘナと座り込む。やり切った。すっごく疲れた。めっちゃ疲れた。何これ、超疲れた!ただのヤケ酒のはずが、嵐の如く怒涛の展開である。

左馬刻さんを無事家に送り届けるという激務を達成したため、もうこの場に用はない。流石にベッドまで運ぶのは図々しいと考え、そそくさとその場を去ろうと背を向けた時だ。既視感を感じさせる靱やかな筋肉が再び私の喉を押し潰し、勢いよく背後に引き寄せた。突然の不意打ち攻撃だった。前回と違うのは私の身体が後方に傾き、少しの浮遊感と共にそのまま床へと倒れ込んだことだ。しかし身体を襲う衝撃はなく、むしろ人肌のような温い温度に包まれて心地良い。それどころかもう片方の腕が私のお腹へ回り、かなりの強さで抱き締められた。もはや抱き潰さんほどの力だった。命の危険を感じたため、ギブギブ!!と腕を叩くが、無意識なのかその要望が通ることは無い。寝ぼけてる……?難易度の高いホールドから脱出を試みようと身体を頑張って捻っていると、柔い何かが耳朶に触れ「ひっ、」と上擦った声が出た。そのまま甘噛みするように食まれ、ゾクゾクと電流が背筋を駆け上がっていく。

「……帰んな」

掠れているのにどこか光沢を感じさせる、艶のある声だった。一言そんなことを囁かれ、縋るように鼻を首筋に押し付けられると、抵抗も何も出来なくなってしまう。

「……どこにも行きませんよ」

そう言って彼の手を撫でると、安心したように身体に巻き付く圧が緩まった。きっとこの強さなら振り切って出て行けるのだろうが、何故かそんな気は起きず私はされるがまま動けずにいる。酔っているからこそなんだろうけど、なんだかほっとけない。微動だにしない私達の存在は無いものと見なしたのか、自動でつく玄関の電気は、やがてパチンと光を消した。途端に世界は真っ暗になり、背中越しに上下する彼の呼吸だけが静かな部屋に響いている。少しずつ私も夢と現を行き来する。ゆっくりと微睡みの中へ意識が引き込まれていくのを感じて抗うこともせずそのまま眠気に従っていけば、目蓋は閉じ、そのままフワフワと靄の中へと沈んでいった。







「ンだテメェ!!!!!ハア!?何してやがる退けや!」
「うわぁぁん!!こうなると思った……聞いて、話を聞いてください……左馬刻さんは酔い潰れててぇ……」
「俺様が潰れるわけねえだろ!!ぶっ潰す!!」
「監視カメラでもバーテンダーさんにも何でも聞いてくださいよ……私も頑張ったんですからーー!」

お決まりの展開に、私はまたもやピーピー泣いた。しかし本当にマンションの監視カメラを確認した左馬刻さんは硬直し、ピクリとも動かなくなる。ほらね!とドヤ顔で腰に手を当てる私に向き直ったかと思うと、突然伸びた右手が私の口元をボールのごとく掴んだ。……なんで?

「この事を他言したら東京湾に沈める、分かったら返事しろ」
「……ひゃ、ひゃい……」

人一人殺せそうな鋭い眼光に、私はコクコクと激しく頷いた。しかし理不尽にも信用ならねえと零す彼は、中々解放してくれない。そんなに潰れたことが気に食わないのだろうか、私は全然気にしないのに。そんな思いが何故か伝わったのか、みしりと込められる力が強くなって泣いた。痛い。


「……暫くテメェを監視する」


そして何故か私はGPSをつけられ、毎日左馬刻さん宅まで今日あった出来事を報告するという、意味のわからないルーティンが日課として追加されたのだった。小学生じゃん。連絡帳買うぞ。

「文句あんのか」
「ナイデス」
「ハッ、そうだよなァ?名前チャンよぉ」



……二度とヤケ酒なぞするものか。
私は揺るぎない意思で固く心に誓った。

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