加藤シゲアキ




「シゲくん喜んでくれるかな〜?」


今日は一年に一度のカップルにとっての最高のイベント
バレンタインデー。


るんるんスキップをして彼の家へ向かう。



ピンポーン


『お、〇〇いらっしゃい』

「お邪魔しまーす」


何度も来たことのあるシゲくんの部屋
リビングのソファへ座ると


「どうしてチョコの匂いするの……?」

『えっ?!チョコの匂いする?!」


なんて慌てだすシゲくん。




誰かが、
来てたの……?




そういえば、今から家出るって言った時

あと30分待ってって……



「だ、誰かがチョコ、届けに来てたりして……」

『…えっ?!さ、さあ そんなことしないよ』



シゲくんは嘘をつく時、必ず目を逸らす。



目を合わせようとすると

ふいっ、と逸らされてしまった。




「…そ、っか。ごめんね、帰る。」

『はぁ?!なんでだよ!』


バシッと腕をとられる


「誰か、来てたんでしょ?
だからチョコの匂いが……『違うよ』


"あ〜もう、"


と言いながら彼がキッチンへ向かった。

バタバタと足音が聞こえて
戻ってきた彼の手には


「えっ?」


可愛らしいチョコレートケーキ


『逆チョコ……ってやつ。』

「すごい 美味しそう」

『ごめん、〇〇。
先に言っとけば勘違いさせずに済んだのに……』

「いや…私こそ、疑ったりなんか ごめんなさい。」

『頑張って作った甲斐があったよ』


ってふにゃって微笑む。


「え?!作ったの?!」


お店で売っているぐらい、完璧な仕上がりで。


「私が作ったの渡したくないなぁ…」

『好きな人から貰うものはどんなのでも嬉しいよ』

「じゃあ……これ…」


彼が箱を受け取り、ラッピングを外すと


『うぉ、クッキーじゃん。
しかもステンドグラスだ、超可愛い』


"ほら、〇〇もこっち来て二人で食べよ?"

って手招きしてくれる
私の大好きな彼






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