お互いに、あまえんぼだ!
「ばりあいらしか」
隣で添い寝しているグリフォンの頬を優しく触り、ホークスはそう呟いた。
「·····急にどないしたん?くすぐったいがな」
グリフォンはそう笑うと、お返しと言わんばかりにホークスの金髪をくしゃくしゃにするように撫でる。
「俺ん彼女が、こげんにあいらしゅうてつい言うてしもうた」
「·····ふふ、褒めても何にも出んよ。今日の晩御飯のおかずがちーと豪華になるだけじゃ」
そう言ってグリフォンは、ゴロゴロと喉を鳴らしながらホークスのくしゃくしゃになった髪や頬を猫の毛繕いのようにぺろぺろと舐めた。
「·····んー、グルーミングしてくれると?」
「あー·····ライオンの本能じゃな、どーしてもしたいんじゃ·····じゃけんちょっと我慢しんちぇ·····舌のザラザラしたとこ、あんま肌に当たらんようにするけん」
「ほんなら問題なか」
ホークスはそう言って、目を閉じてされるがままになっている。
その様子を見て、グリフォンは嬉々として彼の顔や首筋をグルーミングするようにペロペロと舐めていった。
しばらくすると満足したのか、最後にチュッと音を立ててキスをしてから、グリフォンは彼の上から退いた。
「·····もうよかと?」
「ん、もう満足」
「·····ほんに、子猫ちゃんごたって、ばりあいらしか」
「んふふ、うちはライオンじゃって言うとるが?」
「俺からしたら、あいらしか子猫ちゃんばい」
ホークスがそう言うと、グリフォンはわざとらしく「がおー」と鳴いてみせる。それを見て彼はクスリと笑った。
「は〜、俺ん彼女はどうしてこうもあいらしいと?」
「そりゃ、あんたの彼女がうちじゃけんよ」
「っ!·····そげん言葉どこで覚えてくると!?」
「んふふ、秘密〜」
そんなふうにイチャイチャしていた二人だが、ふと思い出したように、グリフォンが口を開いた。
「·····あ!しもうた、スリーヘッズに今度の仕事の電話入れんの忘れとった·····今の時間じゃったら、まだヒーロー事務所におるじゃろうか·····」
そう言うとグリフォンはベッドから立ち上がり、スマホを取りに行こうとする。
ホークスはそれをムスッとした表情で見つめると、その手を掴んで引き止めた。
「·····なんしょんねホークス、うちに行って欲しくないん?」
「別に〜·····ただ、せっかくの休みでイチャイチャしとー所に仕事の話しようとすっとことか、さすがに冷たくないかなぁ思っちょんよ」
「·····しかも男に」とおまけにつけ、ジト目になりながらそう言ったホークスの言葉を聞いて、グリフォンは一瞬キョトンとすると、次の瞬間には満面の笑顔になっていた。
そしてそのまま勢いよく彼に抱きつくと、「ふふ、ごめんなぁ。この仕事はまだ余裕あるけん、連絡は明日でもええじゃろ」と耳元で囁きながら、ちゅっちゅと額や首筋などに何度もキスをする。
それがくすぐったくて身を捩りながらも、ホークスはグリフォンの首に腕を回してぎゅうっと抱きしめ返した。
「·····初音、俺と一緒におる時は俺の事だけ考えんしゃい·····どこにも行かんとって、俺のそばにおって·····」
ぽつりとグリフォンの本名を口にしながら甘えるホークスは、いつものヒーロー姿とは全くかけ離れていて。
それを自分しか見れないという優越感と愛おしさに、グリフォンはぶるっと身体を震わせた。
「んふふ·····啓吾はうちよりおっきいのに、えらい甘えん坊じゃねぇ」
「·····嫌?」
「んーん、いつものホークスとは違って、うちの恋人の啓吾はぶちかわえぇなぁって思っただけ」
グリフォンがそう言って優しく微笑むと、ホークスは彼女の頭をよしよしと撫でた。
するとグリフォンは嬉しそうにゴロゴロと喉を鳴らしながら、彼の頬や唇に沢山キスをする。
ホークスはそれにくすぐったそうに笑うと、今度はグリフォンを押し倒すような形でベッドに寝転んだ。
それから二人で笑い合いながら、互いの体に顔を擦り寄せあう。
·····二人の休日は、まだまだ始まったばかりだ。
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最近ホーグリがキてます。イチャイチャさせるのが楽しいなこのカップル。
20211222
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