パチパチキャンディー(SS)
私は昔から、いわゆるパチパチキャンディーが好き。
口の中に入れると弾ける、あのお菓子。
キャンディーが弾ける感覚が弱い電気に似てたからっていうのもあるけれど、見た目が砕いた宝石みたいでキラキラしているのも好き。
(ちょっとお行儀が悪いけど·····)指先に付けてちびちびと舐めながら食べるのも好きだけど、雑に袋から口に放り込んで食べるのも好き。
「(ん〜、美味しい·····これと一緒に売ってたチョコレートコーティングのやつも今度食べたいな·····)」
そんなことを考えながらぼんやりとした頭でパチパチキャンディーを食べていると、急に恋人の焦凍に声をかけられた。
「おい、火花」
「ん·····焦凍?どうしたの?」
「·····お前、なに食ってるんだ?」
「パチパチキャンディー。食べてみる?」
「ん、食べる」
焦凍の手のひらにパチパチキャンディーを少し出してあげる。それをパクリっと食べたかと思うと
「·····小さい花火食ってるみてぇだ」
と言って、私の頭を撫でてくれた。
私が「なにそれ」と言おうとしたのもつかの間、そのまま自然な流れのように唇を重ねてきたのだ。びっくりして固まってしまった私だったが、次第に弾けたパチパチキャンディーのせいで舌先がチクチクしてきて思わず笑ってしまった。
·····これは確かに、小さな花火かもしれない。
ーーーーーー
パチパチキャンディーは私も好きです。
わたパチがいつの間にか生産終了してたらしくて泣いた。
20220219
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