かわいいあのこ

·····敵連合の不思議ちゃんポジションであるハヅネは、トゥワイスと一回り離れた年の差がある恋人同士であった。

だが二人は、年の差を気にするどころか·····むしろ年齢差があることを楽しんでいるようだった。


「ねぇ仁〜、だぁいすき〜!」

「俺もだぜ!俺だって好きだ!」


彼の他の人格もハヅネが好きらしく、いつも彼女を取り合うように言い争っていた。

·····ハヅネはトガと同年齢だが、彼女より性格に幼さが残っている。しかし、その幼さが彼女の魅力でもあるため、敵連合の皆が彼女を好ましく思っていた。


「·····ハヅネちゃん、寒くない?」

「ありがとね〜、トガちゃん〜。平気だよ〜、だって仁がいっしょだもんねぇ〜」


そう言うと、ハヅネはトゥワイスに擦り寄ってにへっと笑う。そんな彼女に、トゥワイスは「お前は本当に可愛いなあ」と言って抱き寄せて頬ずりする。

それを見たトガは「仁くんばっかりズルいです、私もハヅネちゃんに触りたいですぅ」と言いながらハヅネに抱きつく。


「えへへ〜·····じゃあふたりとも、ぎゅ〜っとしてあげるね〜」


ハヅネの言葉に二人は嬉しそうな表情を浮かべる。
そして彼女はトガより小さな両手を一生懸命広げて、トガとトゥワイスをギュッと抱きしめる。

そんな少し幼く愛らしい彼女も、トゥワイスと二人きりになると少しだけ大人びた雰囲気になる。

·····それはまるで、別人のように。


「んふふ·····仁、好きだよぉ·····」


ハヅネは少し熱に浮かされたような声でちゅっ、ちゅっと可愛らしい音を立てながら、ずらしたトゥワイスのマスクの隙間から何度もキスをする。


「ああ·····俺も大好きだぜ、ハヅネ」


それに答えるようにトゥワイスが返事をすると、ハヅネは幸せそうに微笑むが直ぐに少しだけ眉を下げる。


「でも〜、マスクずらしてしか仁とキス出来ないの、さみしいねぇ〜·····」

「·····仕方ねえよ、俺はそういう個性だからな。まあ、その分こうして直接ハヅネに触れられるけどな」


そう言ってトゥワイスはハヅネの小さな身体を抱き寄せる。
それに少しだけ表情を明るくしたハヅネは、「あ」と呟いて何かを思いついたような表情をした。

そして直ぐに、トゥワイスのマスクをガバッと外す。


「お、おい!何して·····!!」


慌てるトゥワイスを無視して、ハヅネは彼の素顔を見てくすりと笑う。


「えへへぇ〜、いつも包んで隠してるけど、仁のお顔、カッコイイねぇ〜·····」

「·····おい、ハヅネ·····分かってると思うがこれは」

「うん、わかってるよ〜·····だからねぇ〜·····こうするんだよぉ」


そう言うと、ハヅネはトゥワイスの顔に自分の顔を近づけて髪の毛を動かし、トゥワイスの頭を自分の頭ごと髪の毛で包み込んだ。
包み込まれて他の人格は大人しくなったのか、トゥワイスも少し落ち着きを取り戻す。


「·····包めばひとつ、なんでしょ〜?これなら、他の仁は大人しくしてないかな〜?」

「はぁー·····全く、お前には敵わねえな」

「えへへ〜·····大好きだよ、仁〜」


ハヅネの行動に呆れつつも、トゥワイスは嬉しそうに笑った。
そんな彼を見て、ハヅネも嬉しそうに笑うのだった。




―――――――――――――――――
こういうカップルが好きです·····!!!


20220723

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