無し01


特に何もないただの日曜日の午後昼下がり
私はただただうたた寝をしていて
このまま何処かに落ちないかなと思っていただけだった

何処かいい最終回だったとか
何かそんな言葉が頭をよぎるが、
決して最終回ではない
寧ろ始まったばかりだ。
勘違いするなよ、これは始まりだ


『って私何言ってんだろ・・・ねよねよ』


ふぁーと大きなあくびをしながら
隣に置いていた真っ白な丸い五センチくらいの
透明な石のネックレスを手に取り首につける
光に当てるとキラキラと反射するその石は
何処か不思議な力が湧き出てくるそんな感じがした


今は五月

とても気持ちがいい風が部屋の中に入ってきて
そのまま寝ても風邪を引きそうにないくらい
暑い日差しに私はそのまま布団に潜り込み
そのまま眠りについた



まではよかった

何時間後だろうか?
そのまま目を覚まして大きなあくびをして
いつものように布団から起き上がろうとした
そのときだった


『・・・は?ここ、どこ?』


よくわからない太陽の真下
そこは何処かの屋敷の中にも見える
が、場所が場所なのだ。

そう今私がどこにいるかというとだな?

「誰だ!」


『ふぁっ!?』

「あれ?お姉さん?どうして菜園に居るんですか?」

いやそれはこちらが聞きたいわ。
私はキャベツ?や大根??等の
菜っ葉が沢山育てられている畑の近くの
木の下で寝っ転がっていたらしい

いや、今も寝っ転がっているに近いのだが
流石に上下陸上用の服着ていると何をしているのか
自分でもわからない。うん、スポブラ着ていてよかった。
最近ではおばさんになったのか知らないが
ノーパンノーブラだからな、いや前からか。

そんなことはどうでもいい。
とりあえずなんか良く分からない
水色の○♯模様の子供四人は放っておいて
私の家を探さない・・・と?

○♯模様?水色の??
はて、何処かで見たことがあるような?
はてはて?一体どこだったかな、

そう考えながら首をかしげていると
一人が上級生を呼んできた
竹谷先輩と言ったようだが、
おかしいな、似たような人を一人
知っているんだが・・・


竹谷「曲者!?何処の者だ!」

『あれ?私曲者なの?』

「え!違うんですか?」

竹谷「騙されるなよ虎若!」

そういって竹谷先輩は虎若君を近くに寄せて
まるで私が悪者かのように距離を取られた

確かこういう時って逃げたらダメだった気がする。
いやいやいや、クマさんじゃあるまいし、
あ、見た感じ腰ちょっと引いて子供目線にしているから
ちょっとわかりにくいけどあの子結構がたい良いな?
身長高いな?クマさんって見てもいいかもしれない。

そう私が変な妄想をしていると
竹谷先輩がさっさと出ていけというので
じゃあお言葉に甘えて出ようとするが
一つ気がかりなことが一つ

『あ、あの竹谷先輩さん?』

竹谷「な、なんだ」

『ここら辺に宿というかあ、ダメか。
やっぱりいいですごめんなさいでは
さいならららばいふぁおおほおおおお!?』

踵を返して宿代持っていないことを思い出した
私はすぐに野宿に切り替えてこれ以上迷惑にならないように
潔くここから出ようとしたのに
何故か落とし穴にはまってしまった

・・誰だよ、こんなところに穴掘ったやつ
痛いよ、もうやだー


竹谷「すいません!大丈夫ですか!?」

「これ絶対綾部先輩の落とし穴だよな・・・」

「凄い細い女の人っぽいけど、大丈夫かな?」

そんな声が穴が深い分響いて聞こえてくる
いやー女の人ですが細くはないですよ
もうちょっとダイエットしないと
いけないくらいの平凡な体系の人間ですよ。
まぁ筋肉あるからダイエットも何もないけどね


『うう、多分大丈夫です・・・』


++
そして何故か最高権利者の元に連れてこられました
どうも、昼間っからうたた寝してしまったバカです。
いやいいじゃないですか、うたた寝位・・・
でもうたた寝しなかったらこんな処にこないもんな・・・

そうダラダラと嫌な汗が流れながらも
竹谷君と呼ばれる方と一緒に学園長先生と呼ばれる
人のところに行く「ついたぞ」着きました・・・・ぐすん。


心臓がバクバクで無断侵入したし、
親に言われるのかもしれない・・・
ああ、呼び出しかなぁ、どうしよう。
泣きたいな、つらいな、ふざけんな・・・

今日の運勢マジで不運だよね私運勢云々じゃないと思う。

学園長「してお主は何者じゃ?」

『えーと、とりあえず忍者じゃないことは
確かです。変な服着ていると思われていると
思いますが、あ、私は忍びではないと言い過ぎたら
本当のことなのに逆に怪しまれるか、うーんうーん』

竹谷「(言わなくてもいい事まで言ってるぞこの人)」

そんな気持ちを抱きながらも竹谷は
さてこの侵入者をどう処罰されるのか
ちょっと申し訳ない気持ちでいっぱいだった。


学園長「ふむ、名は何と申す」

『岡本都佑と言います。』

学園長「お主年は?」

『はい?一応20歳ですが』

竹谷「いい!?嘘だろ!?」

『お?竹谷君は私が何歳だと思ったの?』

竹谷「い、いや・・俺と同い年か一つ下かと」

つまり14とにらんでいたんですね?
中学生じゃないですよ、童顔ですが
確かにすっぴんだからね、仕方がないね。
うんうんと頷きながらも学園長の話に戻す
学園長はふむーと言ってから
閃いたようなお顔で驚きの回答を言い出した

学園長「よーし!今日からお主は事務員として
この学園で働いてもらう!」

『ええええええ!?』

竹谷「いい、いいんですか!?」

学園長「お主身寄りはないんじゃろ?」

『え、ええ・・一応帰る家はありますが
こんな場所近くにありませんでしたし、
というか私昼間部屋でうたた寝していましたから
確実にあんな木の下でうたた寝なんてしていませんよ。』

そう断言すると分かったといって
学園長が竹谷に一枚の紙を渡す

学園長「竹谷八左衛門その紙を山田先生と
木下先生に渡した後土井先生と
山本シナ先生を呼んできなさい。」

竹谷「はい!」

学園長「さてその間はちょっとワシの
昔話でも聞いてはくれんかの?」

『わかりました、
では楽にしてもいいですかね?』

そう私はいいながら学園長の隣と言ってもちょっと
距離があるが近くに行くと竹谷君が何か言いたそうな
顔をしたが、首を横に振って何処かに行ってしまった

ああ、土井先生達のところに行ったのかな?
まぁいいか、私はこの長い長い昔話に耳を傾けるとするか

そう自分に言い聞かせながら私はため息をつき
これからの事を考えながら頭をぐるぐると
働かせていたのだった

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