短篇03


急な雨に私は心情を表してくれていると思った


その日オールマイトが来て汗を出しながら
「ごめんね、今日はちょっと具合が悪かっただけ
だったらしいから、今日は私がやるね!」
と言ってみてくれたが、実質誰も身に入ることは
出来ていなかった気がする

それは私も然りですぐに保健室に連れていかれて
ベッドにグルグル巻きで強制的に寝かせられている
相澤先生をみてちょっと引いた


『こ、これは・・・』

マイト「嗚呼、あの後僕とマイク君と香山君と
三人がかりで相澤君を掴んで寝させた後に
暴れ無いようにって僕が締め上げたの」

『いや、滅茶苦茶怒ってるじゃないですか
あ、こっちみた・・・・
あ、こわい、え、こわい。あの人誰』

相澤「変な事言ってねーでこっちこい」



そう言われて都佑は相澤の低い声に驚いて
すぐにオールマイトの後ろに隠れた
今はマッスルフォームではないので
隠れても見えてしまう

それでも怖くてすぐに隠れた都佑に
オールマイトは落ち着いてと言った


相澤「この状態で誰が落ち着いて入れますか!!
あれから授業はどうしたんですか」

オール「授業は僕が見たよ。
後で評価してね。授業はもう終わって
今は放課後だよ。一応娘である岡本少女を
連れてきたんだよ。」


『・・皆ちょっと心配していました。
なので相澤先生だし大丈夫でしょと
空元気で悪いですが、元気づけたので安心して下さい』


そう子犬の様にとぼとぼと歩いて
しょげている都佑にそうか、とため息交じりにつぶやいた


相澤「心配かけて悪かったな」

『あ、いえ!・・命に別状がなければ私はそれで十分です』



見え隠れするヴィランの声に私は頭の中で首を振る
なら今相澤先生の心臓は何処にあるのだ・・・
心臓が鳴っている事を確認したくて私は
相澤さんの腕をそっと掴んで脈を測る


オール「・・!!(岡本少女、脈を測っているのかな?)」

相澤「岡本・・・」

『黙っててください』


カチカチと時計の音を聞きながら都佑は
相澤の心拍数を測る

一分経った後にすっと外して80か、と呟いた


『相澤さんにしては正常ですね』

オール「よくわかるんだね」

『この人低血圧なんで、私もそうですけど
脈は昔父と一緒に陸上をしていた時に
半ば無理矢理覚えさせられたのでやり方位は』

そう言って私はすっとその場を立って
荷物持ってきますね、と言って出る
それを見守るようにオールマイトと相澤は
都佑を見て何も言わなかった


























相澤視点

なんの病気でもなんでもないのに急に
心臓が痛み始めて倒れた

いきなりの事に驚いたが
それよりもクラスの生徒が冷静に
対処できている事にも驚いた

流石と言ったところか、すぐにばぁさんが来て
状況を説明しながらゆっくりと保健室に連れて行かれた



すぐにミッドナイトさんとマイクとオールマイトさんが
俺を拘束してベットに寝かしつける


相澤「やめてください!俺もう動けますから・・!!」

マイク「そんな事いってねーで落ち着け!!」

オール「心臓で倒れるとかただ事じゃないから!!
仕方がない、香山君!!」

ミッド「はいはーい!!」

そう言ってすぐに眠り香を吸って俺はそのまま意識を手放した



気が付けばオールマイトさんが都佑を連れて
何かを話していた

オールマイトさん都佑と距離近くないですか?
流石の俺でもそれは嫌ですよ

そんな気持ちが伝わってしまったのか
都佑がおびえて後ろに行ってしまった
・・・どうしろと言うんだ


そのまま都佑は黙れと言って無言で
俺の腕を掴んでぽちぽちと音を立てるかのように
脈があるところを探ってから時計を見て
一分弱脈を測った



すぐに分かったと言って荷物を取りに行くと
俺とオールマイトさんに告げて出て行った


それにオールマイトさんが言う

オール「今日の午後になる前から飯田少年と
麗日少女が言っていたんだが、岡本少女、
ちょっと疲れているのかな?

昼休みに昼寝をしてそのまま一時間
起きなくなってしまったらしいんだ
保健室に行かせようとも
授業だし、次の時間無理矢理連れていくかと
言って次の授業になる前の休み時間に
ばっと起き上がったらしいよ

なんでも冷や汗を垂らしながら
何かを思い詰めているような感じでね・・」


何か心当たりないかい?
そう聞かれて俺は何も・・・としか言えなかった


相澤「それで、他には聞いていますか?」

オール「岡本少女についてかい?
そうだね・・・緑谷少年からだけど
君が倒れた時から上の空で
心ここに非ずって感じだったらしいよ。
君の事が心配なのはわかるけどね
もうちょっと授業にも専念してほしいね!」

相澤「・・そうですね、後で叱っておきます」


相澤はそう言って都佑が来てから
少しして保健室から出てそのまま帰った


日は傾いてもう雨は上がり夜になっていた





都佑は何も反論せずにごめんなさいとしか言わなかった







その日から、都佑は俺を避けるようになった


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