食事会01


ある夏の日の事

『(どうしてこうなった)』

それは不思議と私が一言言った一時間前に遡る



マイク「Hey!茨girl!こんな所で何してんだ?」
『あ、マイクさんだ』

私は思わず笑ってマイクの元まで小走りで行く。それにマイクは珍しく機嫌がいい都佑を見てこちらまで嬉しくなっていた

『実はつい先程迄ワンちゃんと戯れていたのです!』
「ワンちゃんって、犬か!・・ん?茨girlは犬好きだったのか?」
『昔、幼い頃初めて触った犬と似ていたので思わず走って触っていたんです』

そう言いながら都佑は嬉しそうに笑う
それにマイクは本当に嬉しかったんだなと
父親が娘を見るような気分のまま
都佑の頭をガシガシ撫でた
それに都佑はキャッキャと嬉しそうに笑う


「ん?ならなんで帰らねーんだ?もう下校時間は過ぎてるぞ??」
『今日は相澤さんと外食なので。』
「ああ、成程な!!」

月に一度外食に連れていくと言って
上機嫌な同期の相澤の顔を見るが
今日がその日だったのかと今日会った
相澤消太の顔を思い浮かべる

その時ふと都佑があっと言ったのに
マイクの耳は逃さなかった
直ぐに何かあるのか?と都佑の顔を
伺う様にゆっくりと首を傾げた

それに都佑はおどおどして何でもないと言う
昔はいいたいこと全部口に出して笑っていたが
大人になったなぁと思った

「だが気になるんだよなー!
な、ちょっとだけ教えてくれねーか?な?」
『いや、あの・・・・うん』

あのね?と言って都佑は背伸びをしながら
届く筈もないマイクの耳を狙いながら話し出す
それにマイクは合わせて腰を少し落として
みゆの口と手元に耳を傾けた


都佑の願い事が余りにも可愛らしく
かつそんな願い事ならもっと早く
言って欲しいものだとマイクは想いながら
こっちこい!とだけ言って都佑の
手を取りその願いを承諾する人間達の
元へと走っていったのだった







「あらマイクどうしたの?」
「それがよ、ほら都佑ちゃん言ってみ?」

マイクが連れてきたのは会議終わりの
ミッドナイト達がいる職員室だった
勿論オールマイトや相澤もいた

マイクは大丈夫大丈夫と言って都佑の
背中を押してとりあえずさっきの言ってみたこと
皆に言ってみたらいいから、とニヤニヤしながらいう姿にオールマイトは首を傾げ相澤はどうした?と声をかける

『うぇっ!?いいいや、あの、や、やっぱり無理ですってば!!』
「大丈夫だって!ほらほら、言わないとイレイザー怒るぞー?」

そんなはずと思いながら前を見るとふわっと髪の毛が上がり始めている相澤を見た都佑は慌てていいます!いいますから!と叫んだ





『じ、実は・・・・
た、偶には相澤さんだけでなく
ね、ねむちゃんや八木さん達と
お食事してみたいなぁーと』

それにきょとんと目をまばたきする
ねむちゃんことミッドナイトと八木こと
オールマイト

「いいわよー!都佑ちゃん久しぶりにその名前で呼んでくれたわねー!!」
「私もいいよ、岡本少女の言っている事はヒーローとしてではなく、1人の人として、職員とお話ししたい≠だよね?」
『ええ!?い、いいんですか!?』
「僕はいいよ、むしろ誘ってくれて嬉しいくらいかな!」
「都佑ちゃんの頼み事なら仕事なんてほっぽいてでも叶えさせて貰うわー!」
「因みに俺は別に構わん。取っている店に連絡したらいいだけだからな」
「さっすが父親してるわねー!」

そう言ってちょっかいをだすミッドナイトに相澤は止めて下さいと引き汗を垂らしながら反応に困っていた

余りにもあっさり承諾を取られた都佑はきょとんと目をぱちくりしてマイクに「な?言っただろ?」と言われて凄い凄いとその場ではしゃぐ
その後直ぐに笑うのをやめて都佑はミッドナイトの所に行く
それに男3人はどうしたのだろうかと見る
すると都佑がミッドナイトに抱きついたのだ
それにはミッドナイトもまぁ!と言った

「あら都佑ちゃんどうしたの?」
『・・・・どうもしてないもん』
「その感じはお母さん恋しくなったのかしら?」
『え!?なんでわかるの?・・・・あ』
「ふふっ、敬語は今日は無しでいいわよ。情緒不安定なのね、今日はたーんとお姉さんたちに甘えてきなさい!!」


そう言ってミッドナイトことねむちゃんは都佑を抱きしめて嬉しそうに微笑んだ
それに相澤は少し微笑み行くぞと一言言って職員室を出たのだった
『だだ、だからといって私のキャラが分かんなくなっちゃうからでしてだな』
「もう諦めなさいよっ!」
『ふみ゛や゛っ!?』

今日食べに来たのは座敷ありの麺類を主に扱っている店だった。色とりどりのメニューに目を輝かやかせたと思いきや今更素を隠そうとしている都佑にねむりは無礼講よと言ってさらけ出させる

案外あっさりと都佑が折れたのを見て相澤はよっぽどこのメンバーと会話したかったのかと思いながら右端で隣りのマイクの声を聞きながらお冷を1口飲んだ

「それにしてもオールマイトさん大丈夫なんすか?」
「嗚呼大丈夫なんじゃないかな?一応ここ貸切だし、オーナーさんたちには黙って貰うために出ていく迄携帯つつかないように言ったからね」

折角あの物静かで自分の意見を通さないましてや自分から意見を言う事等数えた方が早い位の彼女だ
マスコミ等が来たらまたこんなふうに年相応にはしゃぐ都佑を見られる日は何時になるだろうかと思うオールマイトにマイクも同じだと同意する

「都佑ちゃんが誰もいねーのに急に『相澤さんとねむちゃんと八木さんと山田さんと5人でお食事行ってみたい』とか言い出すからこれは叶えさせてやらないとな!と思って走ってまで連れてきたんだぜ!?偉いだろ!?なぁ!イレイザー!」
「はいはい、ありがとな」

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