幼女


相澤「・・・・・・・・」

『ううー!』

俺と幼女がにらめっこをするのには
深い深い訳があって

まずことの成り行きを説明しよう
つい一時間前の話だ
















都佑サイド

『お、おお、終わったー!』

課題を図書室で終わらせた秋の夕暮れ時
私はもう辛いよしか考えてなかったので
ぶっちゃけ再提出な気がする英語のノートを
マイク先生に届ける為に職員室に向かっていた


「おおっと!?」

『あ、ピンクの髪の人!』

「はい!月野さん!早速で悪いですが
これ飲んでみて下さい!!」

『ふぁっ!?な、なんだか怖いんだけど』

いいからいいから!
そう言われてお茶らしきものを
無理矢理飲まされた

身体が熱くなり眩暈がする
おい私は実験台か!?


『・・・・ふぇ?』

「おおー!流石天才!」

『パパどこ?』

「小雨ちゃんわかる?私」

『わからん』

「え?」

即答されて固まるピンク少女
これは、記憶なしのまずいやつに
なったのだろうか?

今回は完璧になると思い1日効果の
やつを飲ませてしまったのだ

それを知った彼女は直ぐに
チェック柄の向日葵色をした
ワンピースを着させて先生の所迄走った




「先生!大変です!!」

「何が、って!?誰を犠牲にしとるんじゃー!!」


「実は、」



「はぁ、1日効果で失敗作か
今すぐ作り直して解毒剤も持ってこい!」

「お言葉ですが解毒剤はなく
1日効果が切れましたら元に戻る
仕様です!後この服は伸縮性があり
お値段なんと五千円!!」

「売り込みはいいから!!
この子の名前は?」

「月野小雨さんです!」

「月野・・・・A組の子か。
丁度いい先生がいらっしゃるから
こちらで預からせてもらう
後で説教だからな!!」




「相澤先生、お時間宜しいでしょうか?」

相澤「あ、はい。いいで・・・・子供?」

『あー!』

「あの、実は、うちのサポート科の奴が
通りかかった月野小雨さんに無理矢理
お茶(幼児退行)を飲ませて・・・・」

マイク「おおー!ちっちぇーなー!」

『う?』

「完成品を作るために効果は1日らしくて」

相澤「1日か・・・・」

『んー!んーーー!』

都佑が暴れ始めたので何事かと
サポート科の先生が聞いてみる

『ぱーぱー!!』

相澤「・・・・?」

マイク「おれ!?」

余りに暴れるのでサポート科の先生は
マイクに渡してみる

持ち方が違うと言われきちんと
持ち直してみると何も言わなくなった
それどころかきっちり服を掴んで
あたりを見渡している

マイク「あー・・・・君のお名前は?」

『みゆだよ!4歳!!』

相澤「・・・・幼児退行の記憶なし、か」

「本来は私が面倒を見るべきなのですが
奴の説教もありますし、親御さんに
連れていた方がいいと思いまして」

相澤「分かりました。ありがとうございます」

事情を何とか頭に入れて
相澤はとりあえずココだと
面倒なので休憩室に向かう事にした
























『うーーー』

マイク「警戒しとるな」

相澤「ああ・・・・」

マイク「まぁそんな落ち込むなよ・・・・
てかなんで俺がパパなんだ?」

『パパににちゅーきやで!』

相澤「似てるのか」

『なんかにちゅーがやで!』

マイク「方言も入ってるから余計に
分かんねーぜ!」

相澤「俺が通訳する。こう見えても
こないだ都佑から方言ならったからな
一通りは理解出来るぞ」

マイク「やるな!おい!」



相澤「さて、何で俺が警戒されなくちゃ
ならねーんだ・・・・」

マイク「まずその顔からどーにかしないと
都佑ちゃん怯えてんぞ・・・・」

それに気付いた相澤は都佑を見てみる
すると泣きそうな顔になっていて
慌ててニコッと笑った

『うううう!!』

マイク「わああああ!大丈夫!大丈夫だから!
イレイザー!それ笑えてねーよ!リラックス
リラックスして頬をこうやって!!」

相澤「そんな事言っても・・・・ん?」

急に都佑がバタバタし始めて
何事かと思いながら聞いてみると


『パパみたいなのや!こっちいく!』

マイク「あんなに嫌だったのに!?」

相澤「子供の気持ちはわかんねーな。」

そういいながら相澤は都佑を
優しくだっこをする
それにパパがだっこした見たいと
喜ぶ都佑にそうか、とふっと笑う


相澤「それにしても仕事が出来ねーな
今日はこのまま帰るとして、明日は
どうするか・・・・」

マイク「家に置いておいても不安だしなー
いっその事リスナー達に見てもらえば
どーだ?アイツらもヒーロー志望だし
子供のあやし方は覚えておいて損はねーだろ」


それに相澤はそうだなと思ってマイクと
一緒にミッドナイトに頼んで子供用の
ものを買うことにした




































相澤「な、何とか帰ってきた・・・・」

ミッド「おじゃましまーす」

相澤「おい、入っていいとは言って『おかえり!』」

ミッド「ふふ、都佑ちゃんはちゃんと
理解しているそうよ?ただいま!」

何故ミッドナイトにおかえりと
言ったのか聞いてみるときょとんと
した顔で都佑は『家に帰ったら
おかえりとただいま言わないかんがで!?
知らんがー?』と言って首を傾げた

ミッド「都佑ちゃん、私の事ねむちゃんって
呼んでね?」

『ねむちゃん?ねーこっちは?』

そう相澤の足の服を引っ張る都佑

ミッド「ほら、自己紹介」

相澤「相澤消太だ」

『あいざーしょーた?』

相澤「あいざわ、だ」

『あいざー!あいざー!!』

ミッド「ふふっ、1度口にしたら
嫌でも聞かない子なのね」

相澤「幼い頃からこうだったらしいな・・・・」

『ねむちゃんとしょーた』

相澤「おい」

『あはは!しょーたしょーうーたー!』

相澤「好きに呼んでくれ・・・・」

『む?』

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