瞬間汗きゅん 

「なぁなぁ財前君!今からシーブリーズのCMやろ!」

「はい。お一人でどうぞ。」

「わかった!付き合ってよ。…えっ…?サーブの練習、な?

「怖い怖い怖い、即座に1人芝居始めやんとってくれます?」

「財前君が1人でやれって言うからやったのに…じゃあ一緒にやろ!私が先輩役やるから!」

「必然的にヒロインの役回りなるのいやなんすけど。」

「だって中川君が先輩ですずちゃんが後輩やん?私先輩やん?」

「やるんやったら男側がいいですわ。」

「めっちゃやりたいんやん!じゃあ財前君が先輩役ね!」

「ほな名前先輩、付き合うて下さい。」

「いいで!付き合おか!」

「二つ返事したダメでしょ。」

「財前君があまりにも可愛いからついOKしてもうて!」

「きも」

「きも…?」

「いきますよ。名前先輩、付き合うて下さい。」

「財前君って前後入れ替えたらぜんざい君になっておもろいやんな。」

「今このタイミングでそんなしょうもないこと言わんとってくれません。あんた真面目にやる気ないやろ。」

「ごめん!じゃあ次はサーブの練習した後からやろ!はい、シーブリーズ塗って!」

「今汗かいてませんけど。」

「雰囲気やでな!はい!」

「ほんま……なぁ、先輩。付き合うて下さい」

「アーン?まだサーブの練習に付き合えってか?この俺様相手にいい度胸じゃねーの!」

「どこの跡部様やねん。もっかいいきますよ先輩、付き合うてください。」

「ごめん財前君……飽きた!」

「は?言い出した本人が投げ出すって何事なん。人がせっかく付き合うてあげてんのに。」

「そろそろ練習行ったほうがええんとちゃうかな思って。遊んでくれてどうもおおきに!」

「じゃあ付き合うて下さいよ、名前先輩。」

「なんか続いてる〜!逆に鬼のしつこさなってるのなんで?」

「ちゃいますよ。CMの芝居やなくて、ほんまに言うてるんです。」

「え?」

「名前先輩、付き合うてくれませんか?」

「な…な、何言って」

「サーブの練習。」

「あ!あ、サーブの練習!!」

「なんですか、練習以外に何があるんですか。」

「なん、何も…サーブの練習やんね、突っ立ってるだけでいい?」

「はい。どうせ打ち返せんでしょ。」

「なんやとぉ!?おんどりゃコート出ろやァ!!」

「(せっかく可愛らしかったのに途端にヤクザやんこの人。)」

瞬間汗きゅん
end.

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わらびもち

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