◎会話文


「福富くんしか考えられない」
「そうか」
「エッなんでそんなちょっと微妙そうな顔すんの…?ちょっと心が痛むよ?」
「福チャンは苗チャンじゃ嫌だってサ」
「はは奇遇、私も荒北くんだけはごめんなさい!」
「こっちこそ願い下げだッつーの!」
「ギヤアアア」

「わー楽しそうだな、何の話ですか〜?」

「ハァ、ハァッ…ま、真波くん、ど、どうして見ているのに助けてくれないの…」
「だって疲れるから」
「こいつ可愛い顔して中々言いよるわい」

「で、何の話です?」
「(スルーかよ)友達に部活内で付き合うなら誰?って聞かれたから、ダントツで福富くんって答えてただけだよ。なのに福富くんからはこの顔だよ鉄仮面の中でちょっとだけにじみ出る微妙な顔なんだよ」
「わー確かに!福富さんいつもとちょっと顔違いますね」
「でしょー!失礼しちゃうよねぷんぷん」
「んー。じゃあ先輩、俺なんてどうです?」
「真波くん?」
「はい」
「だって真波くん、今日いい風が吹いてるってデートすっぽかして山行きそうだもん」
「へへ、当たり。でも先輩なら許してくれるかなって」
「まあ、真波くんだしね。しかたないかな」
「他の子だと多分そうはいかないし、そう考えると俺、先輩でいいや」
「ま、真波くん。…ってちょっとまって、え、なに、妥協点みたいに言わないでくれるかな?」
「あーでも黒田さんがうるさそうな気がしないでもないからもうちょっと考えておくね、先輩。アッ、いい風吹いてるな〜。坂が俺を呼んでる!っていうことでちょっと登ってきますね」
「ちょっと待って一人で解決しないで私の話を聞いて、ってもういないし!もうやだこの後輩」

「あ、苗チャン、ベプシ買ってきて」

「傷心の私をかまうことなくパシる荒北くんってもうさすがだよね」

ALICE+