七十億の孤独が息づくこの星で
もう少しだけを一体何回繰り返すの
常に兄と比べられ生きていた。
どんなに頑張っても兄の隣には並べず
いつだって兄の背中を追い掛ける日々
兄が太陽だとするならば
僕は代わりが幾らでもいる
星屑のようなものだろう。
砕けた所で誰も気付かない。
気付いた所で見て見ぬふりをされる
そんな出来損ないの不良品。
なのにも関わらず、目の前にいる彼女は
僕の事が好きらしく、いつだって真っ直ぐに
愛を伝えてくれるけれど、その度に僕は
愛される資格などないのにと申し訳なくなる。
嬉しい気持ちがないと言えば嘘になるが
「 星は何の役にも立たないじゃないか 」
太陽みたいに
誰かを暖かく照らしてる訳でもなくて
月みたいに明るく夜道を照らし
誰かの道標になる訳でもない。
星はただ光っているだけ
強いて言うなら
月を引き立たせる為の存在でしかない
まるでW僕Wみたいだ。
感傷に浸っているのもつかの間
「そんな事ないよ」と彼女は言った
どうやら思った事が口に出ていたらしい
僕の手を
ぎゅっと握ったかと思えば
夜空を見上げて
「考えてみて
どんなに太陽や月が明るく輝いていても
人々は"星"に願いをかけるでしょ」
と口にした 。
かと思えばこちらを向いて
「星はねW希望Wなんだよ」と笑う
その言葉に僕は吃驚して
目を瞬かせていると
「それにね
星を見れば方角が分かるから
昔の人は星を頼りに動いてもいたし
星は太陽や月とはまた違った事で役に経つの。
目立ちはしなくても、ひっそりと
W誰かの役にたっているんだよW 」
と言葉を続けて。
まるで
僕が考えていた事が分かっていたかのように
僕の存在を肯定するかのような言葉を沢山くれた
偶然なのだろうか。分からない。
分かっていようが、いまいが
その言葉達のお陰で
憂鬱だった思いは薄れ
心が軽くなったのには
間違いない。
だから三文字に
想いを込めて言葉に
「有難う」と 彼女へ
繋がっている手に
ぎゅっと力を込めた