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少し長かった任務期間を終え、屋敷への帰路の途中に事は起きた。どうやら今いる所の近くにある那田蜘蛛山という山で行方不明者が続出しているらしい。

鬼殺隊も何名か向かっていたはずだが消息は不明。鬼殺隊で消息が不明になるそれは即ち死を意味している。

鎹鴉からの続報で十二鬼月も絡んでいるという情報が入った。不味い。
早く行かないと大勢の鬼殺隊の隊員が死ぬ。
確かあそこの地域はそれほど階級が高くない隊員が向かっていたはず。そんな彼らに、十二鬼月との戦いは過酷を極めることが容易に想像ができる。

指定された現場へ近づけば近づくほど鬼の気配が強くなっていく。それと同時に隊員の無惨な死体もチラホラ増えてきた。さらには蜘蛛の糸のようなものでできた丸い物体もあった。見るからに鬼の仕業である。

くっそ…もうこんなにやられたのか…

「名前急げ」

鎹鴉に急かされる。分かってる。そんなことは。ギリィと奥歯を噛み締める。失ってしまった命はもう戻ってはこない。なら俺がやるべきことは。食事をしていたのだろうか。口元にべったりと血をつけた鬼がにやりと笑いながらこちらを見た。
くっそ…もうこんなにやられたのか…


「今ある命を守ることだ。」

雷の呼吸 一ノ型 霹靂一閃

この日那田蜘蛛山にふたつの雷が轟いた。





ヒノカミ神楽を使った跳ね返りで動けない。
目の前には蜘蛛の糸に絡まった禰豆子がいる。このままでは禰豆子が。
ぐっと体に力を入れようとするがなかなか体に力が入らない。

「もういいよ。ここで死んで」

累が炭治郎を殺そうと血鬼術を発動させようとした瞬間、稲妻が走った。

何が起きたか理解が出来なかった。目の前にあった蜘蛛の糸が切れている。善逸と似た優しい匂いがするこの人は一体…

「大丈夫だったか?間に合って良かった」

目の前には金色に光る刀を構えた隊士がこちらを見て微笑んでいた。

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