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×××常備品は蜂蜜キャンディ(pdl / 田所)



「ねえホントこれはダメでしょ、田所さんから特製サンド貰った…これはもうプロポーズじゃん…」

「は?何言ってんだ?俺たちなんか田所さんにハグされてるからな」

「えっずるくない?俺たちって事は、はじめくんも?え、間接ハグさせてくれない?」

「…やだ」

「ずるいじゃん!私だけ!部活違うもん!田所さんにハグされたい!」

「じゃあお前も入れば?自転車競技部にさ。」

「兼部はダメだから無理…」

「何の部活入ってたっけ?」

「アメフト」

「…意外」

「だって!!イケメンに勧誘されたらさ!入っちゃうじゃん!!入ったらむさ苦しさで死ぬかと思ったもん!しかもマネージャー二人だし!選手たち多すぎてハードワーク!!!」

「ぶっちゃけー?」

「アメフトマネージャー辞めて田所さんファンクラ部作りたい!!!!!」

「そこは自転車競技部に入部だろ」


総北高校三年生の田所迅先輩と出会ったのは本当にただの偶然。
あれは一年生の時だった。お弁当を忘れ、購買でも競争に負けもう今日はお昼抜きが確定した日があった。
文化部とかそう言うのに入ってればお昼抜きでも何とかなるとは思っていたが私は運動部のマネージャー。お昼なんて抜いた日には放課後地獄しかまってない。エネルギー不足でマネジメントする側がぶっ倒れる。
友達に少し分けてもらう方法だってあるが友達だって運動部だ。これは死んだ。

ため息を盛大に吐いてトボトボと歩いていると大きな笑い声とともに背中を思い切り叩かれた。


「え、な、えぇっ!?」

「ガッハッハッ!オメェ昼飯無えのか!ンなシケた面してねぇでこれでも食え!な!ガッハッハッ!」

「こ、こんなに!?そんなもらえな、」

「生きる上での軸は食だぜぇ?食べねぇと保たねえだろ!ちゃんと食うんだぞ!」


ポカンと無理やり渡されたパン数種類を抱えた私は高笑いしながらドカドカ歩いていく名前も知らない、先輩であろう人の後ろ姿を、見えなくなるまで眺めていた。


これが、出会いってやつ。


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総北二年アメフト部マネージャー
イケメンに弱い属性。
田所さんに助けて貰ってから恩返しがしたくて近付いたらまんまと田所さんの懐のデカさにファンになる。
田所さんに会う度に蜂蜜キャンディを渡してるから田所さんの中では蜂蜜女。それを知ってるのは金城さんと巻島くんだけ。

同じ部活の純太と一に田所さんについて聞いたら「お前、見る目あるな」と一気に仲良くなって、よく部活中の田所さんの話を聞かせて貰っている。

どうにかして自転車競技部に移動したいが情がわいてるから中々実行できないグダグダ主人公。


*・*・* 余談 *・*・*
アメフトマネージャーのモブ先輩と仲が良く、暇な日があれば基本一緒に遊びまわってる。
テスト期間はモブ先輩と勉強会してる。
モブ先輩はめっちゃ頭いい。
(2018/07/24/BACK)