「とっても好きです。」
ニコリと笑うと「あ、そう。」と短く返ってきた。
そんなグレーアッシュの髪の毛をフワリと巻いた彼女は俺よりも四つ上のお姉さん。出会いは隼人くん繋がりで美容師を目指してる彼女が隼人くんを練習モデルにさせて欲しいって頼んだ事から、大袈裟だけど全てが始まったんだと思う。
パーマモデルしてからより一層モテるようになった隼人くんから紹介された時は衝撃が走ったのを今でも覚えてる。
これが一目惚れってやつなんだろうな。
連絡先を交換してもらえなかった事はショックではあったけれど隼人くんに頼み込んでようやく手に入れた連絡先を一ヶ月は眺めていたと思う。隼人くんから『連絡したのか?』の一言に連絡先を貰った意味がなかった事に気付き『悠人です。』を送ると『よろしく。新開くんの弟くん』とだけ返ってきた。
それから一方的に連絡を取り続けている俺のメンタルって凄いと思わない?
返信は十回に一回あれば良い方だった。
見た目通りのスーパークール女子だったけれど返信貰えるだけマシだと隼人くんが言っていた気がする。貰えない人は何があっても貰えないらしい。つまり興味がないから関わりたくないって事だろう。自分の世界で息をするクリエイターみたいな人種なのだろうね。それって、超かっこいい。
「先輩はなんで隼人くんをモデルにしたの?」
「イケメンだったから。」
「わかります!隼人くんかっこいいもんね。俺、隼人くん大好きなんですよね」
「…」
ようやく二人でご飯に来る所まで漕ぎ着ける事に成功したは良いが肝心な彼女は俺に見向きもせずにお店のメニューばかりに視線を落としていて少し悲しい。
約束をしてから今日と言う日をどれだけ心待ちにしていたか彼女は知らない。それはまあ当たり前の事だけど、折角オシャレして箱根まで来たのにここまで反応が薄いと流石に心も折れるって話。
店員さんに注文してからランチプレートが届くまでの間の会話はやはり俺から一方的な話ばかりで彼女はそれに対して頷くだけでなんだか思い描いたデートではないし、今まで関わって来た女性で初めてのタイプでどうしたらいいのか分からないし眼中にないんだ、と思ったらつい視線を下げ話を止めてしまった。
「ゆーとくんはさ。」
不意に落ちて来た俺の名前に視線を再び彼女に渡すと、肩肘をついてこちらを見ていた。
「新開くんの話しかしないよね。」
「え、」
「つまんないね。」
ゆーとくんの話しようよ。
そうやって笑った彼女に、俺の今までの会話を思い出してそういう事かと納得した。
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*新開隼人の一つ上の先輩
*紹介されたのは主人公が三年生の時
*一年後の話(主人公専門学生一年生、ゆーと中学三年生)
*新開隼人みたいにスマートに決めたいのに決まらないのが新開悠人
*会話に困ると新開隼人の話しかしなくなるのも新開悠人
*振り向いて欲しくてがんばる新開悠人
*主人公は新開隼人を今まで出会った中で最高にイケメンだと思ってるからこれからもモデルとして協力して貰うために仲良くしている。
*別に新開隼人が好きなわけでは無い。
*好きなタイプはマッチョ
*グレーアッシュのミディアムロング(ショートになるかもしれない)
*東堂尽八が苦手