coyote
「別れよっかァ」
「喜んで!」
蝉がうるさく鳴き続ける夏、電話で呼び出されてカフェに来たらこれだ。
荒北くんのお付き合いして一年、高校の時からずっと憧れていた先輩であり、彼の卒業と共にお付き合いがスタートした。
それまでは良かった。真っ直ぐな男だと思っていたが彼はそこまで真っ直ぐな男では無かったようで私は二股をかけられ、今私は別れ話を切り出された。つまり私がお遊びだったという事だ。
別にショックは受けていない。
二股をされているのを知ったのは荒北くんとお付き合いを始めて二ヶ月後の事だった。ショックを受けるのかなって思っていたが意外と自分自身ケロッとしていた自分に驚きを隠せない。
「意外とすんなり引くじゃなぁい」
「私も浮気してたし!」
「ハァ!?」
「荒北くんもしてたし、これでお互いスッキリするねー!」
バイバイ、そう伝えてカフェを出る。
鞄からスマホを取り出しこれから会う人に連絡を入れようと画面を開いた時、
「遅いぜ、名前。」
「隼人くん!ごめんね、お待たせー!」
「この近くに新しくパンケーキの店が出来たらしい。行くか?」
「喜んで!」
私の世界はキラキラ輝いている。私の心もドキドキして、とても幸せの色をしている。
そんな私たちを一匹のオオカミが此方を見据えていただなんて誰が思うか。
ーー・ーー・ーー・ーー・ーー・ーー・ーー・ーー・ーー・ーー・ー
一学年下の主人公
調理部・お菓子作るの超上手い(ご飯は普通)
箱学入学当初から真っ直ぐな彼にずっと憧れていた。
いつか先輩に手料理食べて貰えるといいなぁ、と思いながらもバレンタインとか調理実習の時とかこっそり机の中に入れていた。のを新開に見られていたのを知らない。
荒北←主人公←新開
荒北くんが浮気してるの知ってしょんぼりはしたけど新開が励まし続けてくれて「俺だったら泣かせないよ?」って手を差し伸ばされて気付いたら自分も浮気してた。
荒北くんと別れてから、次は荒北くんが主人公を追いかける事になる。
必死な荒北くんが見たいだけの話。