別に彼女になりたい、とか気に入られたいとかなんて思ってなんていなかった。ただただ遠くから見てるだけでそれだけで十分で、でもこれはこれでかなり辛い時もある。それはクリフォードを見る度に横に連れてる女の人が違うのだ。モデルだったり学校のマドンナだったり、色々な人と付き合っているらしいが皆共通しているのが綺麗でスタイルが良い事だ。日本からの留学生である私は日本人特有のありきたりな体型。その横に並ぶ女の人を見ては溜め息をついてしまう日々。


「今日もクリフォードはモテるね」

「本当だね」

「なまえ、あんたもアプローチしたら?」

「私日本人だから…」


以前仲良くなりたくて話しかけたらイエローモンキーって悪い顔して笑われた時から私の恋は終わってしまったのだ。相手にされない、呟くように友人言ったらその友人に無言で殴られた。「何で日本人ってそんな弱気なの」と言われたがこれは普通に誰でも心折れるだろう、仕方無い。これが私なのだから。
チラ、と彼を見ればまた昨日と違う女の人が腕に巻き付いていたのを見て、また凹んだ。もう少しスレンダーに生まれてきたかった…こんな事言っていてもどうにもならないのは自分自身が一番分かっている。今更ながら綺麗系に路線変更しようか、と悩むが今まで普通の格好だったのにいきなり路線変えましたー、なんてそんな事出来ない、恥ずかしい。話はかなり変わるが最近ホームシックだ。高見に会いたい、高見に。奴だけが心の支えだと思う、ついでに大田原も。


「日本に帰りたいって思うこともある」

「尻尾巻いて逃げるってやつ?」

「それはまた意味が違うと思うよ。」

「ふーん?」

「今度大型連休あるじゃんね?」


まあまあの長さの休みがあるので日本に帰ろう。
今度のお休みにでも家族や友人たちにお土産を買って帰りたいので隣の友人に声をかけるとなんと彼氏とデートだそうだ。私に当てつけかい。
日本が恋しいよ、と友人に泣きつけば「ウザイ」と一喝された。クリフォードには変わらず女の人が巻き付いていた。