恋はチョコレートソーダ
バンブルがスパイクを連れて、私がカーリーを連れて。
二人をカフェに降ろすと、仲良くチョコレートソーダを飲んでデートを楽しんでいた。
彼らはあれをよく飲んでいるが、そんなに美味しい物なのだろうか。
幸せそうな二人をジッと見つめていると、
「物欲しそうな顔をしている」
「しっ、司令官!?いつから居たんですか!?」
「つい先程通りかかったのだが…あれが飲みたいのかい?」
コンボイ司令官の指す先にチョコレートソーダ。
確かに気になっていたけど、トランスフォーマーには飲めない…と思う。
「ふむ。バンブル、なまえを借りても?」
「ええ、勿論!スパイク達はオイラに任せて行ってきなよ!」
「では行こうか、なまえ。トランスフォーム!」
「えっ!?あっ!」
ギゴガゴと変形して走り出すコンボイ司令官の後を慌ててトランスフォームして追い掛ける。
「二人ともごゆっくり〜」なんてバンブルの声を背に聞いて。
司令官に続き基地に戻ると、部屋で待機するように言われた。
一体何をするつもりなのだろう。
「待たせてしまったな」
「いえ」
コトンとテーブルに置かれた、エネルゴンの入ったグラスが一つ。
そしてグラスに刺してある二本のストロー…?
「我々は人間のように味という物を楽しめない…が、せめて雰囲気だけでも楽しもうじゃないか」
向かい側に座り、マスクを収納したコンボイ司令官がストローを咥えて私を見つめる。
…私にも飲めと?
自然と近くなる距離のせいでグングンと機体が熱くなり、冷却装置が意味を成さない。
ああでも、いやしかし…葛藤の末、意を決してもう一本のストローを咥えると、エネルゴンを一口、二口。
「いつもと変わらないエネルゴンも、君と一緒に飲むと格別に美味しい」
嬉しそうなコンボイ司令官につられて頬が緩む。
頭がふわふわ浮かれて、スパークがとろけてしまいそうな。
トランスフォーマーに味覚はないけれど、多分これが『甘い』という味なのだと思った。
「『甘い』は美味しいんですね、司令官」
「そうだな、幸せの味だ」
なるほど、だからカーリー達も笑顔になるんだ。
でも、他の誰と飲んでもこの味にはならない気がする。
司令官と一緒じゃないと味わえない、私と司令官しか知らない味。