シャーロット家のお姫様2
 
今日は珍しくお兄様やお姉様達の仕事が片付いたらしく、みんなで揃ってメリエンダの時間を楽しんでいる最中。

私はスムージーお姉様の長くて綺麗なお膝の上にちょこんと座らされたまま紅茶を飲んで次はどれを食べようかと鮮やかな色のお菓子達を眺める。

「ふふ 迷っているならこのマカロンはどうだ?ルイ好みの味だと思うぞ」

「わぁ!嬉しい ありがとうスムージーお姉様!」

私の顔を覗き見ながらピンク色の美味しそうなマカロンをすすめてくれたスムージーお姉様を見上げるとそれに気を良くしたのかお姉様は私のためにジュースを作ってくれるそうで、少し待っていろという言葉を残してジュースを作りにいってしまった。

「ルイ スムージーが帰ってくるまで私の膝の上でメリエンダを共にしないか?ペロリン♪」

横に座っていたペロスお兄様にもちろん!と答えようとしたらその更に隣にいたオーブンお兄様が私たちの間に割って入って来た。

「ちょっと待ってくれペロス兄」

「どうした オーブン」

「いや…ルイが寒がっているようだからおれが温めてやろうと思ってな。だからおれの膝の上に」

「それならお兄ちゃんの手を煩わせなくてもアタシが温めてあげるわ ちょうどブランケットもあるし」

ブリュレお姉様がそう言ってニコッと笑いかけてくれるので特に寒くもないけれど頷いてブリュレお姉様の元へ行こうとするとヒョイッと私の身体が宙に浮いた。

「わっ!」

「ルイは寒がってなんかいねェよ 肩車をして欲しそうな顔だった」

私を抱き上げたのはダイフクお兄様で、いつものように私を肩車してくれている。確かに寒がってはいなかったけど特に肩車をして欲しかったわけでもない。

けれどダイフクお兄様が楽しそうだから私はニコリと微笑んだ。

「違うファ ルイは生クリームがたっぷり乗ったショートケーキを食べたいんだファ」

オペラお兄様が生クリームたっぷりのとっても美味しそうなケーキをフォークで掬って食べさせてくれる。

「おいひぃ!相変わらずオペラお兄様の生クリームはとっても濃厚でショートケーキと相性バッチリ!」

ダイフクお兄様に肩車されながらショートケーキの美味しさに頬をとろけさせていると再び私の身体が宙に浮いた。

「お前が欲しがってたビスケットの冠ができたぞ」

今度はクラッカーお兄様の腕の中にいた。

「本当だ!えへへ 似合う?クラッカーお兄様」

クラッカーお兄様にこの前頼んでいたビスケットの冠が完成したそうで、さっそく頭に乗せてクラッカーお兄様にお披露目すると、世界一似合ってるなんて褒め言葉が返ってきた。

こんなにも細かいデザインがあしらわれたビスケットの冠も後で食べなければいけなくなることを考えるととてももったいない気持ちになる。

「ルイ」

「カタクリお兄様!」

「疲れてないか?ーーさっき眠そうな顔をしていたろう」

クラッカーお兄様の腕から今度はカタクリお兄様の膝の上に寝転がるような体勢になった。

私の身長は150cm程度だけれどカタクリお兄様の身長は509cmもある。そんなお兄様の膝の上は私からしてみればベッドのように広いから寝転ぶこともできる。

「大丈夫だよお兄様」

「寝てもいいんだ 我慢することはない」

確かに眠かった。お兄様やお姉様達が可愛がってくれるのが嬉しかったから眠気なんて吹っ飛ばしたけど、背中にあったかいお兄様の体温と頭を撫でてくる優しい手にだんだんウトウトしてきた。

「……すぅ…」

お菓子を食べてお腹いっぱいになったルイはカタクリの膝の上でスヤスヤと寝始めた。

その周りを囲む兄弟達にカタクリはフッとマフラーの下で微笑み、小さい寝息を立てて眠る妹の頭を撫でるのだった。


数分後ーー

「待たせたな ルイ 特製ジュースがーー寝ているのか?」

しーーっ!と口に人差し指をあててそう言ってくる兄弟達にスムージーは皆の視線が集まるカタクリの元へ向かう。

その膝の上では最愛の妹がまん丸と小動物のように丸まって夢の世界に旅立っていた。

「フ…仕方がない ジュースはまたの機会だな」

"将星スムージー"と万国の住民達から頼られ、外敵からはその名を聞くだけで恐れられるスムージーも妹にはとことん甘いのであった。

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