もしものお話
 
〜もしも太陽と月主が女だったら〜
※時間枠はアーロン編が終わりローグタウンに向かう途中の船です。


「強くてクールなルイちゃんも好きだー!!」

ココヤシ村を出ていくらか進んだ海域でルイはゾロの鍛錬を手伝っていた。刀を振るうゾロの一太刀一太刀を指で防いでいるとそれを見ていたサンジが横に割って入って来た。

「私もサンジが好きだよ。ご飯美味しいし」

「え!?ルイちゃんがおれを好き…!!うっ!動悸が…!!」

苦しそうに、だが目はハートなサンジが心臓のあたりを手で押さえる。

「そのまま死ねクソコック」

「んだとクソマリモ!!てめェが死ね」

またいつもの喧嘩が始まった。そんなに声を荒げていつも疲れないのだろうか。しかしクソマリモとはもしやゾロの髪の色からなのだろうかとルイが考える。

「ルイ!」

「ルフィ」

「釣りしようって言ったのになんで来ねェんだよ!ルイがいねェとつまんねェ」

「ああ ごめん忘れてた。いい魚は釣れた?」

「おう!これルイにやる」

そう言ってルフィはズイッとルイの目の前に魚を突き出した。意外とデカイ魚を釣ったみたいだ。

「ルフィが釣ったのに私がもらっていいの?」

「いいんだ ルイの為に釣ったから」

「ありがとうルフィ せっかくだから皆で一緒に食べよう」

ルフィから受け取った魚を持ってルイが未だゾロとやりあうサンジに近づく。サンジならきっとどんな魚でも美味しい料理にしてくれるだろう。

「サンジ」

「はーいルイちゃん!」

ゾロとやり合っていたはずのサンジがビュンッとルイの方まで走ってやって来る。そんな走らなくてもいいのだが、どうしたものか。

「これ、料理してくれないかな」

「もちろんよろこんでー!すぐ作って来るから待っててねルイちゃん」

ルイから魚を受け取ったサンジはウキウキとした足取りでキッチンへ向かった。

そんなサンジを見届けて数秒後、ルイは突然ふと気配を感じて船の後方を見る。すると海軍の船がメリー号に近づいてきていた。いつもなら手を出さないルイだったが、今はサンジがルイ達に料理を作っている最中。騒がしくなればサンジは料理の手を止めて表へ出て来るだろう。

せっかくルフィがルイに、とくれた魚だ。ここはパパッと手短に終わらせるのが無難だろう。

「大変だお前ら!海軍の船が近づいて来てるぞ!!」

「もしかして私が殴った海兵のネズミみたいな男!?」

「仕返しに来たのか お前らどいてろ」

「いいよゾロ 私がやる」

「珍しいな お前がやるなんて」

「最近動いてなかったから気分転換にと思ってね」

「まるで準備運動するみたいに軽く聞こえるのは私の気のせいかしら」

「右に同じく」

ナミとウソップがそう言うのを聞きながら、海軍の船に視線をやる。大砲が向かって来る様子を冷静に眺めているとウソップが耳元でうるさい程に悲鳴をあげる。

「ギャーー!死ぬ!ルイ、早くなんとかしてくれー!!」

「うるさい わかってる。ーー”リーフ”」

ゴオォ!!

メリー号に向かって来ていた大砲が逆走して海軍の船に戻っていく。それも元の倍以上の速度でだ。

ドカーン!!!

見事直撃して粉々になった海軍の船を一瞥してからルイは仲間達の方に向き直る。

「ししし!やっぱ強ェな、ルイは!」

「一方的に海軍がやられてたな」

「おいおい軍艦一つ潰しておきながら汗水一つ垂らしてねェぞコイツ」

「当たり前じゃないルイよ?あんなの敵じゃないわ」

ルフィをはじめ、この場にいないサンジ以外の全員が次元を超えた強さにこれで何度目か、感嘆の声を洩らす。

「できたよルイちゃ〜ん!ナミさーん!ついでにクソ野郎ども」

そうこうしている内にどうやらさっき頼んだ魚料理が出来上がったようだ。

「美味しそう ありがとう、サンジ」

「ルイちゃんにそう言ってもらえればもうおれの人生に悔いはない…!」

「そうか じゃあ死ね」

「だからなんなんだてめェさっきから!!」

ギャアギャアとまたゾロとサンジの掴み合いが始まる様子を横目にルイ達は席に着いてホクホクと湯気の立つ料理を口に運んだ。

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