閑話休題
「星弥っち!今日は本当にありがとうございました!」
「ポテトうまうま」
星弥ちんはお腹いっぱい食べてご満悦みたいだ。
黄瀬ちんの話は全くと言っていいほど聞いていない。
「ところでさ、なんで皆がいるわけ〜?」
「ホントっスよ!!」
「なんだぁ?いちゃ悪いのかリョータくんよぉ」
「そうですよ、今回の件いろいろと僕たちも被害を受けました」
「お前のせいで体育館がしばらく使えないのだよ」
「おっ、俺は別に一人が怖いとかじゃねーからな!!」
口々に文句を言うバスケ部の面々。
騒がしくてたまったもんじゃない。
「柳瀬さん!言われたとおり燃やしといたよ!」
「俺は柳瀬さんに興味があってね」
赤ちんはやはりそう来ると思った。オカルト好きがこんなチャンス逃すはずがないのだ。
「星弥ち〜ん、おいしいね 〜」
「そうだな紫原」
あえて星弥ちんと2人でスルーすることに決めた。
こんな時の赤ちんは本当に面倒臭い。
「ね、星弥っち。ケー番とメルアド、LINEのID教えてよ」
というか、さっきから黄色い駄犬が俺の親友に付きまとっているようだ。
非常にうるさい。
「あー、ごめん…私携帯持ってないから」
そう星弥ちんは答えた、
携 帯 で ゲ ー ム し な が ら 。
何を言っているのだろうか、つくのならもっとましな嘘を言えばいいのに。
ちなみに俺はケー番もメルアドもLINEのIDも持ってる。渾身のドヤ顔を黄瀬ちんに向けておいた。
「持ってるじゃないっスか!携帯!!」
「違うよ、これは……アレだよ……」
どれだよ、思わず口をついて出そうになった言葉を飲み込んだ。
星弥ちん自分でも思いつかなかったのか。
「アレってなんなんスか!?」
「アレはアレだよ!!」
「だーかーらー!そのアレが何か聞いてるんスよ!!」
「え?黄瀬アレも知らねーの?」
「……え?」
「えー?マジでー?天下のモデル様がアレも知らないとかー」
そう嘲笑うような笑みを浮かべる星弥ちんに黄瀬ちんが押されだした。
「そ、それは……」
「紫原だって知ってるだろ?アレ」
「え?しらな………嘘、嘘!知ってる!アレでしょアレ!」
痛い、痛い、痛い。
お願いだから机の下で足踏まないで欲しい。
そんなに黄瀬ちんにメアドとか教えたくないのか。
「ほらー、紫原でも知ってんだぞ?黄瀬知らねーの?」
「うぅ……知ってるっスよ!アレっスよね!アレ!」
「そーそー、じゃあこれが携帯じゃなくてアレだってことわかるよな?」
「……はいっス……」
黄瀬ちん上手く丸められちゃったよ。
恐ろしく、低レベルな戦いだった。
それより、さっきから赤ちんの視線が痛い。
こちらをガン見している、視線で穴あきそうだ。
「……赤色……なに?」
「それは俺のことかい?」
「そーだけど}
「あ、赤色」
最近気づいた事だが星弥ちんは自分の苦手な人は絶対名前を呼ばない。
黄瀬ちんのことも最初は黄色と呼んでいたのが良い例だ。
「君は霊が見えるんだね?」
「さぁ?なんで?」
「俺はそういったものに興味があるんだよ」
「へー」
面倒なことになると察したのか目を合わせようもしない星弥ちん。
そこでサッと周りを見渡すとみどちんとザキちんを指差しこう言った。
「お前、零感だもんな。そこの緑色と灰色に聞けば?」
「おまっ……ちょっ!!」
「なな、な、ななななんのことなのだよ!?」
あからさまに動揺するみどちんとザキちん。
二人とも霊感でもあるのだろうか。
「知ーらね、私帰る、ごちそーさま」
「星弥っちまた明日!」
「ばいば〜い」
「さようなら」
「またね〜」
ひらひらと手を振り歩いていく星弥ちん。俺は峰ちんのハンバーガーどみどちんのポテトをくすねて行くのをばっちりと目撃した。
なんと手癖の悪い親友だろうか。
2014.12.04 完成
2016.06.16 加筆修正
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