※ 未成年との性行為あり
赤格子夕霧とヒーロー殺しステインは恋人同士ではない。
赤格子夕霧とヒーロー殺しステインは師弟というわけではない。
赤格子夕霧とヒーロー殺しステインは教祖と信者というわけではない。
赤格子夕霧とヒーロー殺しステインは一つの括りには纏められない。
この形容しがたい関係に名前を付けることは出来なかった。
だから、瞼を閉じて重ねられた手に指を絡めればいい。暗闇の中でも貴方に刻み付けられる証だけが不確かな関係の、確かな証明だと思えたから。
午前12時を回った頃、遠くで車の通り過ぎる音を聞いた。
敷きっぱなしの布団の上に力なく転がされ、自然と溢れ出る涙でシーツを濡らしていた。部屋の隅に投げ出されたスマートフォンが目に入る。着信を告げるランプは点滅していなかった。
月明かりに照らされた肌が白く浮き上がる。闇は男の輪郭を描いた。
癖のある黒髪、体格は自分より一回りも二回りも大きく、腕も同様。抱き締められれば、ぽきり、と折れてしまいそうなほど太い腕。
しかし、何よりも目を引いたのは、ひび割れたような傷痕を残す顔。削いだように本来の形を失った鼻だった。
本来の貴方はどんな顔をしていたのだろう。なんて無粋なことは想像しない。
しっとりと濡れた毛先が、しがみついた手の甲を何度も撫でる。胎を押し上げ、中で暴れる熱に短い悲鳴を上げた。何度果てたか分からない身体は少しの動きにだって反応してしまう。
柔らかな綿の上に組み敷かれ、もがけば、もがくほど腰を掴かむ力は強くなる。まるで、逃げるなと言われているような気がした。噛まれた首筋が酷く痛む、汗に混じってシーツに血が滲む。
中を突き上げられる度に大きく揺れ動く乳房を乱暴に掴まれ、ざらついた長い舌で先端を舐られる。
「ッ…ひ、ぁあ…っ…や、っ…ぁ…っ!」
身体に刻み付けられる快楽は恐怖そのものだった。溺れてしまえば、自分は自分でなくなる気がした。
「……やめるか、」
「…っ…、っ……やめないで…」
でも、貴方から与えられるものは何だって良かった。
だから、何度果てたって貴方を求めてしまう。
両膝持ち、足を大きく開かれる。その体格に見合うほどの一物が自分の中に沈み込んでいることに何度驚きを覚えたことだろうか。
あられもない姿を見せつけられ、そして貴方はじっくりと私を見つめていた。一物が引き抜かれは、捻じ込まれ、存在を植え付けては、中に空洞を作る。ぽっかりと空いてしまった秘部がひくつき、子宮の奥が貴方を欲しているのが嫌というほど分かった。
「……っ…は…、…ステイン、さ…んっ」
もっと。その言葉に貴方の手がするりと腰を撫でた。次の瞬間、私の子宮を圧倒的な質量が満たす。体が跳ねた。粘着質で湿った水音が鼓膜を犯す。繋がったそこからとめどなく溢れる蜜。胎を伝って全身に広がる走る甘ったる感覚。それを受け入れる度に全身が震えて支配される。
「ッ…はっ、!……っあ…!…っひぅ!…あっ…ッッ!!」
自分のものとは思えないほど高い声がこの部屋に響く。耳を塞ぎたい、声を出したくない。でも、しがみついた手を離したくはない。
「……っごめんな、さっ………ごめんなさいっ、……っ…っごめんなさいっ」
だからだろう、あの時遠退いていくあの子を置いて行ってしまった気持ち、痛みが溢れた。
助けられなくてごめんなさい。
助けられなくてごめんなさい。
昨日のことが鮮明に甦ってくる。
あの人は泣いていた、助けられなかった。あの人の大切な存在を助けられなかった。
それどころか、私はあの子の役目を穢そうとしたのかもしれない。心が溢れた。涙が止まらない。
ヒーローが言っていたことはもっともだ。
ヒーローでもないのに、何が出来る。
ヒーローじゃないのにでしゃばるな。
ヒーローではないのに、人を助けようとするな。それはお前の役目じゃない。
本当にその通りだと思った。
限界が近いのか、ステインさんの短い息遣いを耳元で感じられた。
背中に腕を回され、身体が浮いた。
「……っ…ハァ…受け止めろ、」
「ッ…すて、…ステ、イ…っ…ん…さぁっ……ッっああッッ!!」
激しい律動だ。最奥を何度も抉られるように突き上げられ、息が出来なくなる。痛いと気持ちいいの感覚が混ざり合って、訳が分からなくなった。
思考は既にストップして、弾けて、飛んで、白く染まって、子宮の中で何かが広がる感覚がした。絶頂の余韻、静かに遠退いていく意識の中で、貴方が私の名前を呼んだ気がした。
「夕霧、」
骨張った手が私の頬に触れる。掌は刀を握るせいか皮膚が硬化している。僅かに血の匂いがした、……ステインさんの手だ。重ねて、指を絡める。離さないで、お願い。お願いもっと触れて。
一人にしないで。