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「久世っち!久しぶりっスね!」
「…」
「無視しないで欲しいっス!」
「しつけ教室履修中の犬?」

久しぶりの涼太との現場だ。
一度何かの撮影の時に軽く助けてあげたら凄い懐かれた。

「蘭ちゃんってキセリョと仲いいんだ」
「同い年だからそこそこ話すだけですよ」
「そうなんだ〜仲いいし付き合ってるのかと思った」
「…正直絶対ナシですね」
「うわきびしー」

メイクさんと話しながら撮影を進めて行く。
今日は涼太とのツーショット。
普段は犬みたいな顔しておいて、撮影になったらちゃんとキメてくるのはこいつのズルい所だ。

「じゃあこんどは相手のこと誘う感じでお願い」

誘うか〜…
正直恋愛経験とか特にないしこういうのが一番難しい。
自分を誰かに所有して欲しいと、そう思うことが正解なのだろうか。
それとも正解なんてどこにもないのだろうか。








「サインもらっていい?」
「え?!飾ってくれるんスか?!」
「いや友達がそこそこファンなんだって」
「友達…しかもそこそこって…」

そう言いながらもサインをくれる涼太は良い奴なのだ。
涼太の方もバスケのインターハイが終わったそうで、モデルの仕事は最近再開したばっかりらしい。

「ご飯食べてく?」
「いいよ」
「珍しいっスね」
「今日たまたま家にご飯ないから」
「美味しそうなラクレットのお店見つけたから蘭っちと行きたいって思ってたんスよ!」
「いいねー、チーズ食べたい」

それから伊達メガネをして、私服に着替えて私達は適当に集合してお店に向かった。

「友達もインターハイで負けちゃったんだけどさ、何かできることとかないのかな?」
「うーん、友達にはいつも通りでいて欲しいっスけどね」
「それでいいのか…この前遊んだとき話題にしなかったのは間違いじゃあなかったってことか」
「傷が癒えたら本人から何か言って来るはずっスよ」
「んじゃあよかった」
「ってかそれ男?!一体どこの誰なんスか!」
「同じ学校の友達!別に彼氏とかじゃないから…」
「そうなんスね…」

そんなことを話しているとラクレットが届いた。
野菜やお肉の上にチーズが掛けられているだけなのになぜこうも美味しそうに見えてしまうのだろう…

「お皿持ってこっち向いて」
「ん」

ニッコリと笑うと写真を撮られた。
チーズ美味しそう早く食べたい。
涼太が食べている姿を写真に収める。
美味しそうに食べる涼太が撮れて満足した。

「久世っちってあんま友達いないっスよね」
「急に人の弱いとこパンチしないで」
「ごめんごめん!でももっと」


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