胸騒ぎの花嵐
「善法寺さんの個性はヒーロー向きだとは思うけれど、学校は雄英なのね?」

「はい」

中学3年生の春
クラス替えをして受験生となった日から数日後担任との面談が行われた。

「…筆記試験なら合格圏内なんだけど
倍率が…とても高くて」

「知っています。私は諦めませんし
滑り止めの受験なんてしません。
雄英に通いたいんです。」

「まだ春だし、もう少し考えてみたら?……じゃあ今日はここまでお疲れ様」

「お疲れ様です。ありがとうございました」

軽くおじきをして教室から出る。

ふぅ、一息ついて緊張していた体を落ち着かせる。先生雄英はお前には無理だ、って顔に書いてあった。さすがに担任だし言いにくい言葉だけれど顔に出てたらダメじゃあないか夢見る少年少女には親身になって応援して欲しいものだ。

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雄英高校の受験日当日

「今日は俺のライヴにようこそー!!!」
(yokoso_…)

ボイスヒーロー【プレゼント・マイク】がステージの真ん中に立ち実技試験の概要を説明していく。
10分間の模擬市街地演習で仮想敵を倒していく事。敵にポイントがついてるからポイントが多い方が合格するってワケ…

「あーヤベェ」

緊張して吐きそういや、マジで
記念受験だったらどんなに気が楽か
いやいや俺はヒーローになるんだって!
なんのためにここまで来たんだよ

「あの、君大丈夫?」

「へ?」

「顔色悪いから緊張してるの?」

茶色のゆるふわポニーテール女子が俺に声をかけてくれた。女子までに心配されるとか超ダッセー

「あー…そんな感じ」

「ちょっと失礼」

そんな彼女は小さく冷たい手で俺の手を握り


親指と人差指の分かれ目のくぼみを押した。
「緊張してるの時はここを、人差し指の骨の下に、親指をもぐりこませるようにして押すのがいいよ」

「緊張ほぐすツボ的な?」

「そう、
あと意識して呼吸してくの」

「そうなん」

名前も知らない女子が俺の手握ってるとかやばい実技試験とかいろんな事が頭の中でぐちゃぐちゃになってた時に

「ハイ、スタート!」

カウントダウンも無く実技試験が始まった。

「どうしたぁ!?実技じゃあカウントなんざねぇんだ!!
走れない走れぇ!!

賽は投げられてんぞ」


プレゼント・マイクの言葉に受験生がはっとして敵に突っ込んでいく

「あっ」

手をにぎって(ツボ押しなんだが)たのに他の受験生のせいで手が離れてしまった

「俺!上鳴!!
上鳴電気!!なぁ!アンタは?」


「私は……」




彼女はそのあと人混みに埋もれて姿が見えなく実技試験の間も姿がなく
結局会えず、名前も聞けず終わってしまった。




題名サンタナインの街角






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