めでたく雄英に入学することが出来たのに、何故私は幼馴染みに凄まれているのだろう。
「アァ!?茜テメェなにしれっと雄英来てんだコラ!」
「ええ。そんなこと言われても…てへ?」
「コロス!!」
「…ごめんね、何も言わずに引っ越して。爆豪くん、…は、元気だった?」
「ンだその呼び方気持悪ィな」
耳をつんざくうるさすぎる叫び声に思わず目を瞑ってしまう。爆豪くんは眉間に皺を寄せて不快だという思いが全面に出ている。怖いよ、怖すぎだよ爆豪くん。こんなにもときめかない壁ドンが存在するんだね…。ぐい、と近付いてきた顔を避けられないまま「テメェまさかヒーローになりてぇとか言わねぇよなァ?」なんて凄まれる。いやそりゃあヒーロー科ですよ?そりゃあそうでしょうよ。肯定するように頷けば目をこれでもかと見開いて「ふざけんなよクソモブが!」と顎を鷲掴みされた。…痛いです。まぁ、ここで昔だったら言い返していたし反撃だってした。だけど今はしないよ。私だって大人になったしね。バレないように小さくため息をつきどうしようかと思案していると「かっちゃんカツアゲは…って茜ちゃん!?」ともう一人の幼馴染みが助けに来てくれた。
「みどりあくん…!ないふ!」
「相変わらずブッサイクだなぁ?なぁ茜?」
「かっちゃんだめだって!」
「うるせぇクソナードが!黙ってろ!」
「っ、もう!まだそうやっていじめてるの!?最低です!」
「なんだてめぇ俺相手に個性なんぞ使いやがって!」
もう面倒臭いから爆豪くんが手をついてる壁を個性で溶かしてバランスを崩した一瞬でそこから抜け出して距離を取ってみせた。そういえば今日の緑谷くんの個性は凄かったなぁ。離れている間に個性を発現したらしい。普通は4歳までに発現するはずなのに珍しいこともあるらしいが、そんな当人緑谷くんは「茜ちゃん大丈夫?」とあくまで私の心配をしてくれた。ありがとう。緑谷くんは小さい頃から私のヒーローだよ。微笑みあってる私たちが気に食わないらしい爆豪くんは「クソが!」と吐き捨てて去っていった。…相も変わらず怖すぎるのである。