結局不機嫌

ーーバーーーン
傑の部屋でエロ本見てたら突然大きな音をたてて開かれた扉。
扉の先には不機嫌そうに頬を膨らましてる希。
え、何その顔かわい。


傑が扉が開くのと同時に素早くエロ本をベッドの下に滑り込ませてた。ナイス傑!!てか瞬発力やばくね?


「あれー?悟もいる。まぁいいや悟いても。ねーねー傑ぅ」
「いやお前俺への扱い雑すぎじゃね?」
「どうしたんだい希」
「どうしたんだい、じゃねぇんだよ。おい傑お前ドヤ顔すんなくっそむかつくな!!てか希、お前もノックくらいしろよ!」
「別に悟の部屋じゃないんだから良くなーい?」
「てか悟もノックなんかしたことないじゃないか」
「一緒じゃん。真似すんなよ」
「うざ!お前らうっざ!!!」
「でね傑、さっき言いかけたことなんだけど…」
「話聞けよ!!」


あ゛ーもうこいつらまじむかつく!もういい勝手にお前らだけで話しとけ!舌打ちをしてベッドに入って布団を頭までかぶる。
そしたらケラケラ笑った傑と希が布団をそっとめくってくる。おいおいめくんな。俺は今いらついてんの!


「拗ねないでよさとるぅ」
「別に拗ねてねーし!!」
「ははは、悟は可愛いなぁ」
「傑お前バカにしてんだろっっ!!」
「別にバカにしてないよ」
「顔がニヤついてるんだよ!!」




「ねーえ、悟」
「…んだよ、」


甘えた感じで首を傾げて上目遣いしてくる希は文句なしに可愛い。お風呂上がりだからか髪もまだ少し濡れてるしなんかめちゃくちゃ良い匂いもする。
それだけでさっきまでのイライラが嘘のように消えてくから顔が良い女って得だよな、なんて思うけどまぁ俺も文句なしのイケメンだしな。



「まだ機嫌治らない?」


おでことおでこがこつんとぶつかって、視界が希一色になる。
無意識に唇同士をちゅ、ってくっつけたら希がクスクス笑って二回目のキスをしてきた。
堪らず希の部屋着のTシャツの中に手を入れたら傑に強めのチョップを食らって頭を抱え込む。
くっっそいってぇ…!!


「ここ、私の部屋なんだけど?」


ニコってしてるけど目が全然笑ってねー!


「ごめんね傑。ヤキモチ妬かないで?」
「希は女の子なんだからもっと自分の体を大事にしなさい」
「ん?ごめんね傑。そうだよね、うんうん分かるよ。これからは気をつけるね」


ぜってー分かってねえしなんならお説教されたくないからかめっちゃ流してんじゃん。










「でね、さっきの話しても良い?今日の夜ね、硝子とオールでマリカする約束してたの」
「お前切り替え早くね?」
「それなのにさぁ!硝子ったら開始一時間も経たずに眠いから寝るって私を部屋から追い出したんだよ!酷くない?!オールするって約束したのに!」
「いきなりめっちゃキレんじゃん」
「ねぇ酷いよね傑!?」
「んー、まぁ、硝子も前日結構遅くまで任務入ってたみたいだし疲れてたんじゃないのかな?」
「でも約束してたのに!楽しみにしてたのに!」


うわぁぁんひどいよぉぉ硝子のばかー!裏切り者ー!
泣き叫びながら傑の枕に顔をうずめる希は結構本気で怒ってるぽい。まぁ、こいつ硝子のことめちゃくちゃ好きだもんな。よっぽど楽しみにしてたんだろう。正直愚痴を言うのが俺じゃなくて傑っていうのは気にくわないけど、今日は久々にチューもできたし目をつぶってやることにしよう。ほら、俺ってば優しいから。


「まぁまぁ泣くなよ希ちゃん。明日は日曜だし俺らが変わりに朝までマリカ付き合ってやるから」
「……え、いいの?ほんとに?」


目に涙を溜めてうるうる見つめてくる希が死ぬほど可愛い。いやわざとだってわかってるよ。俺だって馬鹿じゃないんだから。わかってるけど!わかってるんだけど!可愛いもんは可愛いんだよ仕方ねぇだろこんちくしょーが!可愛いは正義だ!!


「…悟、私明日朝から任務なんだけど」
「んー?じゃあ傑は寝たら?希、今から俺の部屋行こうぜ。俺は朝までお前に付き合ってやれるから」
「うん!悟大好き〜〜!!ありが「私も朝まで付き合うよ」え、でも傑朝から任務なんじゃ「マリカ、やろう。朝まで」…いいの?「可愛い希のためだからね」…ありがとぉ♡傑も大好き〜」


このむっつりスケベ、とっとと寝とけよ。











「…………………何これ。キモい!信じらんない!」


後日、早朝にベットの横に寝転がった希が運悪くエロ本の存在に気付いてしまい、散々キレまくったあげく部屋から出て行ってしまった。


「……」
「……」


希ちゃんよ…俺らオールでお前に付き合ったんだからこれくらい可愛いもんだって許しておくれよ…。
傑なんてこれから任務なんだぜ…?


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