■ ■ ■
お前の夢って何、
瑞希ちゃんの夢ってなに?
夢のために夢を諦めたの?
夢。
もっと声優として評価されること。
唯一無二の存在になること。
わたしはずっと
ーーーー になりたくって
舞台で、
「瑞希っ、」
ハッとすると眼前に心配そうな顔をした江口さんがうつる。
おはよう、と眉を下げる江口さんにおはようと返す。じっとりと汗ばむ額をぬぐいながら重たい身体を起こす。
「魘されてたけど、大丈夫?」
「あ、うん」
「そっか」
朝ごはんにすっぞ、と意気込む江口さんの後ろ姿を茫然と眺める。
「江口さんの夢ってなに、?」
ぼんやりとした頭のまま、思ったことを口にすると、も〜どうしたんだよ、と笑ってくれる。
「うーん、瑞希に『江口さん呼び』を辞めてもらうことかな」
「無理すんなよ」っと頭を撫でられてなぜだかわからないけど涙がじわりと滲んだ。