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「瑞希ちゃんて身長いくつなの?」
「へ?」
唐突に投げられた問いに、手元のスマホから顔を上げる瑞希ちゃん。
「すごい大きいイメージあるんだよねえ」
「165cmくらいですかね〜可愛くないんですよ」
「えっ案外普通?170くらいあるかと思ってた!この前のイベントで宮野さんとか江口くんといい感じの身長差でびっくりしたんだよ!」
「ああ、イベントはヒール履くから余計デカくなるんですよ〜プラス10cmくらいとか」
「デカっ!それはでかい」
そういう彼女は、今日はぺったんこですけどと右足を少し上げて黒のスニーカーを見せる。女の子は大変だね〜と言う神谷さんがどうもおじさんぽかった。ちなみに失礼なリアクションを取りまくってるのは島崎信長。
「でも今日なんか女の子っぽいね」
「いつも女の子ですよ?!」
「服が!瑞希はいつもかわいいよ!」
「たしかに〜今日何かあんの?」
「いや、特に、、」
いつも無造作に降ろされた髪が、今日は綺麗にひとつにまとめられている。
飾り気のない耳にも、小振りなイヤリングがかすかに揺れている。
心なしかいつもより表情が柔らかい。
困ったように笑って、彼女は机の上にあった私物をカバンに詰めている。
手元に置かれたiPhoneの画面にはLINEの通知が表示されていた。
「それじゃあ、わたし次の現場あるんで、、また来週もよろしくお願いしますね」
ふんわり笑って部屋を出て行く彼女にお疲れさま、と気の抜けた挨拶を返してその背中を見送る。
開いたドアのむこうから、同じく「瑞希ちゃんお疲れさま」と優しい声がした。
「163てことは花江っちと一緒の時はヒール履かなかったりするんすかね」
「あ〜身長差気にして?瑞希ちゃんそんなかわいいことすんの」
なんで花江くん?と聞くなんて無粋なことはしなかったが、ふとさっき見送った背中を思い出す。
「あっ」
「どうしたんですか、小野さん?」
「、いや〜〜、女の子は大変だなっておもって」