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壮馬と飛鳥が付き合っていると世に知れて早くも数日が経っていた。思った以上に世間の反応はあたたかく、祝福するものばかりで俺まで安心してしまう。この二人なら大丈夫だろうと思っていても、人の感性なんて本当に十人十色だから。何が起こっても決しておかしくはない。
あのラジオ以降、初めて壮馬に会うけど意外にも普段通りで拍子抜けした。
「本当にびっくりした」
「あー、はは。すいません」
あの日は普通に帰ってきて一息ついたあとにツイッターを見ていたらトレンドによく知った2人の名前があって、調べてみたら急展開で1回スマホを置いたよね。
「先輩方にも、あの飛鳥ちゃんと付き合ってたのかあってニヤニヤされました」
「飛鳥さん先輩キラーでめちゃめちゃ可愛がられてますものねえ」
「本当にそうなんですよね…保護者が多くて…」
飛鳥はたまに、そんな人ともご飯行っちゃうのって感じで声をかけるのも緊張してしまうような先輩とご飯に行ったりしている。
飛鳥曰く「私が子供のときから良くしてもらってますし、緊張はしてない、かも…?」だそうです。大物だよこの子は。
「妹からも連絡がきまして、」
「お、まじ?」
「飛鳥ちゃんかわいい、ってそれだけ。俺のことはノーコメントでしたよ」
「あはは。ヤバすぎる」
控えめに笑う壮馬は、なんだかとても幸せそうで。
「……俺、小動物コンビ大好きみたい」
「えっ……ど、どうしたんですか急に!」
「これで俺も保護者の仲間入りかあ……」
「拓也さん、それについてはもう手遅れです」
たまにあるじゃん。見ていて嫌にならないカップル。それがこの2人というか、むしろ応援したくなっちゃうのが不思議なところ。
柄じゃないけど、やっぱり2人にはその先も見てほしいと思ってしまう。思うだけで、さすがにお節介すぎるから心に留めておく。
俺ができることなんて、まあ何もないんですけど、いつも通り一緒に酒飲んだりくだらない話をする程度はできるわけで。
「…ご飯行く?飛鳥も誘って」
「いいですね!あ、でも飛鳥来れるかな……」
「無理そう?」
「今日は内田姉弟って言ってたんでどうでしょう……」
「……もう三兄弟だな、あいつら」
「あはは、たしかに!」
ただただ平穏を祈るだけだ。