終わった。全国大会が。中学の時も思ったけれど終わってみると意外に呆気ないものだった。優勝のためだけに頑張ってきたことも全てが走馬灯のように俺の脳内を駆け巡った後、軽く目を伏せる。そんな俺を覗き込む1人の女子生徒。髪は胸下、大きくクリっとしたその目に見つめられると吸い込まれそうで屋上庭園のベンチに腰掛ける俺を真っ直ぐに見つめていた。参ったなあ、ここは唯一女の子たちに絡まれたりしないスポットだったのに。でももうこの学校で過ごすのも後数ヶ月。そう思えば我慢も出来る。
「君は…?」
俺の問いに彼女は頬を赤く染めるかと思いきや、眉根を寄せて怪訝そうな表情で俺を見た。そんな彼女の反応に眉根を寄せたのは俺の方。彼女は俺の目の前に立ち直し、仁王立ちになる。片手を腰に当て、もう片方の手を俺に向けて差した。
「幸村精市!私と付き合いなさいよコラァ!!」
突然の告白だった。
「あんな横暴な告白、受けたことなんてない。」
「だからお前はそんなに楽しそうなのか?」
「楽しそうに見えるのかい?」
「俺から見ると、な。」
あの子に告白を受け、あまりにも衝撃的な告白に俺は咄嗟に正しい判断が出来なかった。だってコラァ!!だよ?コラァ!!って言われたよ俺。気が付けば彼女の告白にOKを出し(と言うよりかは出さされていた)、俺たちは付き合うことになった。その時の彼女のドヤ顔が頭から離れない。幸村くんと付き合えて嬉しい!と言うよりは幸村精市の彼女になってやったぜ!みたいな。
そんな昨日の出来事を蓮二に話してみると、楽しそうだと言われた。そんなはずはない。嫌か、と聞かれればそうでもないが良かったな、と言われると複雑な心境だ。まあでも俺と付き合うってことになったらきっと俺の親衛隊の子たちが黙っていないからあっさりといじめられて別れることになるだろう。
「はーっはっはっはっはっ!私、幸村精市と付き合うことになったのよ!」
「え!?名前凄いじゃん!頑張ったね!」
たまたま通りかかった親衛隊の子も居る彼女のクラス。そこには椅子と机に片足を掛けて上履きのまま立ち上がっている彼女が居た。こら、そこでご飯食べたりもするのに汚い。
無事に別れることに…なるのかな?